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相続税申告の財産評価

2021/05/06
相続税申告の財産評価

相続税申告をするためには、「財産評価」をする必要があります。

預貯金や現金などは、そのままの額を評価額として申告書に載せられますが、不動産や有価証券などは一般的に税法上認められている評価方法により財産額を評価していきます。

ここでは、不動産と株式の評価方法について解説しています。

財産評価と不動産の評価の概略

相続税の申告書に載せる財産の価格を計算することを「財産評価」と言います。

相続税の申告書には原則として、相続開始日(亡くなった日)の財産の評価額が記入されます。
現金・預金や借入・未払金はおおむね相続開始日の金額と考えておいて間違いありませんが、相続税の財産評価には、他にない相続税特有の評価方法があります。

①上場株式の評価方法

上場株式は、その株式が上場されている金融商品取引所が公表する相続開始日(被相続人の死亡日)の最終価格(終値)を基に相続税評価額を算定します。

 

では、金融商品取引所で取引が行われない土曜・日曜・祝日・年末年始に被相続人が亡くなった場合はどうするのでしょう?
このような場合は、その日の最終価格はありませんので、相続開始日に最も近い日の最終価格を用いることになります。
また、相続開始日が3連休などの真ん中で最も近い日が2日ある場合には、「前後の取引日の終値の平均」として評価します。

ただし、株価は日々変動しており時にはその変動が大きくなることもあるため「その日の終値」だけで評価をするとなると、日によって価格に差が出ることになり公平とは言えません。そこで、相続開始日の最終価格が次の三つの価額のうち最も低い価額を超える場合は、その最も低い価額により評価します。
 1.相続開始日の月の毎日の最終価格の平均額
 2.相続開始日の月の前月の毎日の最終価格の平均額
 3.相続開始日の月の前々月の毎日の最終価格の平均額

②非上場株式の評価方法

非上場株式というと言葉は難しく聞こえますが、簡単に言うと証券取引市場に上場されていない株式です。証券取引所で売り買いされていないから「価格」が決まっていないのです。だから自分たちで株価がいくらになるのか評価しなければならないのです。

非上場株式の代表的な例は、ご家族が社長で、自分で会社を経営しているオーナー会社の株式、被相続人が親せきや友人の経営する会社に出資していた場合のその出資金などです。
非上場株式の評価が難しいのは、そもそもこれらの株式が売買を目的としていないからなのです。

例えば、お父さんが株式会社を経営していて、その会社の社長だったとします。
お父さんは事業の器として株式会社を作りましたが、その株式は売買する目的で出資したわけではないのです。
・・・とはいえ、会社の業績が良くなっていれば、当初100万円の資本金で作った会社の資本が、長年の利益が蓄積されて帳簿上5000万円になっているかもしれないのです。

●非上場株式の評価の方法、三つの考え方

①お父さんの会社の相続が、お父さんが亡くなった時に起こったと考えて、会社の預金や不動産や借金を個人の相続と同じように評価して、差額の純資産を遺産としていくらあるか計算する方法です。⇒純資産方式

②お父さんの会社と似たような業種や規模の会社の株価を国税庁の統計資料等から計算する方法です。⇒類似業種批准方式

③お父さんの会社の配当から割り戻して、株の価値を計算する方法です。⇒配当還元方式

これらの評価方法は、株を持っている人の立場で区分けして評価します。
例えば、お父さんの会社の株を親せきが1株だけ持っていても、何の発言権もないから、この親戚は株を持っていても配当を期待する価値しかない。だから配当還元方式になる・・・・とか、お父さんの会社は家族経営の小さな規模でほとんどか不動産だから相続と同じように純資産で評価する・・・とか、お父さんの会社は中堅企業と同等の規模があるから、純資産と類似業種の割合を加味して計算する・・とか複雑なパターンがあります。
このように様々な要素を考えて株価を評価していくのです。

非上場株式の評価は、元々が売買を目的としていないし、売ることができないことも多いので、なるべく評価が安くなるように、相続専門税理士が生前から長年もかけて知恵を絞って評価を下げていきます。
簡単に計算様式にあてはめて計算ができないので、相続専門税理士が評価することがほとんどです。複数の税理士が在籍する税理士法人では、この株価評価、株価対策が得意な税理士を育成しています。

純資産方式、類似業種批准方式、配当還元方式は、国税庁のホームページにあります。
国税庁HPは➡ こちら

③不動産の評価

不動産は原則として次の評価によります。

●建物 固定資産税評価額
→ 毎年市町村から送られてくる固定資産税納税通知書の明細に書かれています。

●土地 路線価方式 or 倍率方式
→ 路線価方式は、自分の所有する土地に接する道路に付けられた価格(路線価といいます)により評価する方式です。

 

路線価図は国税庁のホームページから見ることができます。
路線価図の見方は➡ こちら
路線価図は➡ こちら

路線価地域では、土地の利用状況や形状によって、路線価×㎡数 の評価額に増減があります。というのは、路線価の単価は正方形の土地を想定しているからです。
例えば、四角形ではなく三角形の土地だと路線価より低くなるとか、道が両方向についていれば路線価より高くなる・・・というような評価の増減を計算します。

路線価がついていない地域は、倍率方式といって、固定資産税評価額×倍率によって土地の評価額を計算します。

 

倍率表も国税庁のホームページから見ることができます。
倍率表は➡ こちら

この土地の評価を税理士が行います。
税理士は相続税を下げたいと考えるので、実際の土地について欠点――形が悪い、がけ地だ、入り口が狭い、広すぎる等――を探していきます。
欠点を一生懸命探すために、多くの資料を入手して調べたり、実際の土地を見に行ったりしながら土地の相続税評価を下げていきます

具体的には以下の調査をしていきます。

●資料調査
所有不動産について以下の資料の記載事項を調べることにより土地の評価方法や評価額を算定します。
 ・所有不動産がある市区町村で固定資産税の課税台帳(名寄帳)を取得
 ・法務局で公図・分筆図・建物図面・謄本などを取得

●役所での調査
市区町村で評価対象の土地に法令上の制限を確認し評価減要因の有無等を調査します。
同じ土地について調べるにしても、
例えば、
 ・接道が「建築基準法の道路」としてその土地で建物が建築可能か確認
 ・都市計画法上の用途地域、建ぺい率や容積率、計画道路の有無等制限について確認
する場合は、役所内で担当する部署が違ってきます。事前に役所に確認した上で調査に出向くことになります。

●現地調査
資料で調査した土地と現地の土地が一致するかどうかを確認します。
形状、規模、傾斜・段差の有無等や隣接地との境界など評価を下げるための多くの項目を確認しながら、資料にまとめます。

上記の資料を基に多種多様な土地の評価減の要素と定められた評価方式を組み合わせて土地を評価していきます。
何故この評価額になるのか、税務署に対しての説得力も重要ですので、多くの経験と注意深い観察力が必要とされます。ここが土地評価について税理士の腕の見せ所になります。

株式、特に非上場株式の評価は、単に株価を計算するだけではないため、前述の方式の中から何を使って評価するかの判断することが相続税に大きく変わってきます。また、不動産の評価でも、調査から税務署へ提出する資料を作成しますが、これによって相続税に影響が出てきます。
自分で正しく評価することは難しく、専門的な知識が必要になります。相続税専門の税理士に相談することをおすすめします。

 
この記事の監修者
宮澤 博
宮澤 博
税理士・行政書士

税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、 お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、 他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。

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