【相談事例】
Aさんは、奥様と長年二人で暮らしていましたが、 このたび息子さん夫婦とお孫さんが、同居する事になりました。
家も古く手狭なため、取り壊して新築する事にしました。
建築資金は、息子さんが住宅ローンを組んで建てることを申し出てくれました。
Aさんも退職金があるので自分のお金で建てることができます。
どのようにするのがAさんの相続にとって有利なのか相談に来られました。
Aさんの相続人は奥様と息子さんだけです。
※平成26年時点の解決事例です。
【解決の方向】
相続シミュレーションを行ったところ、 Aさんは、相続税の基礎控除を超える額の金融資産をお持ちでした。
この場合、相続税の節税対策としては以下の方法が考えられます。
1つは Aさんが自己資金で家を新築することで 相続税財産の評価額を圧縮する方法です。
相続税法上の財産の評価は家屋の場合固定資産税評価額に基づきます。
固定資産税評価額は実際の建築価額よりも低くなるため相続財産の評価を下げることができます。
もう1つは、Aさんが息子さんに住宅資金の贈与を行い息子さんの名義で家を新築する方法です。住宅資金を自分の子供や孫に贈与する場合、平成26年まで贈与税の非課税の特例があります。
この特例を使って住宅資金を贈与すると贈与した人が死亡した場合でも、この贈与は、贈与した人の相続税の課税財産には含まれません。
よって相続対策としても有効です。
今回は 税法上の要件を検討し、老後の資金も考慮して、 Aさんの土地に同居親族の息子さんの建物を建てても Aさんの土地に相続税法上の 小規模宅地の特例 も 適用することもできることから、 住宅取得資金の贈与の特例を適用して息子さん名義の家を新築することにしました。