一度成立した遺産分割協議をやり直すことは可能ですか?
“遺産分割のやり直し”については、既に行った遺産分割の“無効”あるいは“取消し”によるケースと、相続人全員の同意による“解除”ケースが考えられますが、それぞれ民法上の取り扱いと税務上の取り扱いが異なります。
【無効・取消しの場合】
当事者の一部を除外した遺産分割は無効、遺産分割の当事者に意思表示の瑕疵があった場合には民法総則の規定に従い、遺産分割は“無効”、あるいは“取消し”の対象になり、遺産分割の協議を行うことになります。この際、相続税の申告が済んでいれば、相続税の修正申告や更正の請求を行うことになります。
【相続人全員の同意による解除】
相続人全員の一致がある場合は、遺産分割協議を合意解除し、やり直すことが可能です。しかし、税法上は遺産分割のやり直しは認められず、当初の遺産分割により相続人に帰属した財産を贈与または譲渡したものとみなされ、贈与税、所得税の課税関係が生じることになります。