【相談事例】生命保険受取人の変更
Aさんは 自分の財産をきちんと数字に表して管理されていて、相続税が少しかかるくらいの財産を持っています。
Aさんの配偶者も同様に、相続税が課税されるくらいの財産を持っています。
今回、Aさんの孫が高校を卒業したのを契機に、ご自分にかけてある生命保険受取人を奥様から、子供と孫の二人に変更することを検討して相談にやってきました。
【解決の方向】
Aさんが 奥様より先に亡くなったことを考えた場合、Aさんの生命保険を奥様が受取られると、奥様の相続(二次相続)で、相続税の税率が奥様自身の財産のみで試算した場合の相続税の税率より1段階上がり、相続税が増えてしまうことがわかりました。
そこで、Aさんが加入している生命保険の受取人は、お子さんとし、 お孫さんが大学進学をすることから、お孫さんには 教育資金一括贈与の特例を適用することを提案しました。
Aさんが、保険料の負担者であり、Aさんが死亡したことを理由にして、保険金を受け取ることのできる生命保険金は、相続税法上は相続財産として課税対象となります。そして、その受取人が相続人である場合には、相続人1当たり500万円の非課税の枠があります。
ところが、Aさんのお孫さんは相続人ではないので、この非課税の枠の適用はありません。かつAさんのお孫さんが受取人となった場合には、お孫さんは相続人ではないので 相続税が加算されることになります。