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相続した土地の登記の義務化って、いつから? 登記しないとどうなるの?

2023/09/29
相続した土地の登記の義務化って、いつから? 登記しないとどうなるの?
「親から土地を相続したけれど、手続きが大変だから名義は変更せずにそのまま相続人が使用している」というケースは珍しくありません。相続した不動産の財産的な価値が低い場合は特に「登記費用が高額になるし……」と手続きを後回しにしがちです。

「親から土地を相続したけれど、手続きが大変だから名義は変更せずにそのまま相続人が使用している」というケースは珍しくありません。

相続した不動産の財産的な価値が低い場合は特に「登記費用が高額になるし……」と手続きを後回しにしがちです。ところが令和6年1月から相続登記が義務化されます。相続登記を怠ると過料を支払うようにと通知を受ける可能性もあるのです。そこで今回は相続登記の義務化の概要や過料について説明します。

 

❏そもそも相続登記とは?相続登記の概要を説明

まずは相続登記の意味や確認方法を解説します。登記自体の意味や登記情報を閲覧する方法がわからない方は参考にしてください。

相続登記は不動産を相続したときに行う名義変更の手続き

相続登記とは、被相続人が亡くなり遺言や遺産分割協議によって相続人が不動産を相続した場合に行う名義の変更手続きです。すべての不動産の所有者等の情報は法務局で管理されています。所有者以外にも抵当権や借地権といった権利関係の情報も法務局が管理しています。相続時以外にも土地を売買して所有者が変わったときや、お金を借りるときに土地を担保にしたときなどは、その都度法務局で登記をしなければなりません。

❏相続登記や通常の登記で登録した内容は「登録事項証明書」で確認できる

登記の情報は法務局が管理しており、誰でも紙ベースもしくはPDF等でその情報を確認できます。法務局が管理している登記情報は「登録事項証明書」という形で出力されます。昔は「登記簿謄本」と呼んでいましたが、登記情報を紙面ではなくデータで管理をするようになってから名称が変更されたのです。

登録事項証明書は土地の所有者以外の人でも請求できます。

 

❏相続登記の義務化とは?罰則や時期も解説

続いて相続登記の義務化の概要や罰則、義務化される経緯、そして義務化の時期について解説します。

まずは確認!相続登記義務化の根拠となる条文

相続登記の義務化が規定された法律は「不動産登記法」です。不動産登記法の改正された条文を確認してみましょう。

「所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続による所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に所有権の移転の登記を申請しなければならない。遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。」不動産登記法第76条の2より

これだけではわかりにくいので、次項で詳しく解説します。

相続登記の義務化の概要

相続登記の義務を負うのは相続によって不動産を取得した相続人です。

相続登記は相続したことと不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請することが義務づけられています。

相続登記の期限は被相続人の死亡からカウントするのではなく、「相続の発生、つまり相続人の死亡を知ったこと」と「不動産の取得を知ったこと」の2つの条件を満たしたときにスタートします。

相続登記を申請しない場合は過料を請求されることがある

相続登記が義務化された後に、相続登記を怠った場合の罰則は「10万円の過料」です。過料は金銭を請求する行政罰の1つです。過料として身近なものといえば「歩きたばこ及びポイ捨てをなくす条例」に違反して、たばこを道路に捨てた場合に請求されるお金です。

過料はいわゆる前科がつくような「刑事罰」とは異なります。行政罰が科されても、その後の経歴や職業を制限されることはありません。

相続登記の義務を果たさない場合の過料は「10万円以下」と規定されております。実際には相続登記を申請しなかったからといってすぐさま過料が請求されることはないと考えられます。「何度も登記をするようにと通知を受けたのに無視をし続けた」など悪質なケースでは過料が請求されるおそれはあるでしょう。

 

❏創設された相続人申告登記の手続き

相続登記の義務化とともに「相続人申告登記」という手続きが創設されます。

この手続きは「相続人の氏名や住所等」を申し出る手続きです。登録事項証明書には相続人の氏名や住所等が記載されることになります。相続人申告登記の手続きを行うことで「相続登記の義務」を果たしたとみなされて過料を請求されるおそれはなくなります。相続人申告登記の手続きが役立つのは以下のようなケースです。

・父親が死亡し、相続財産は土地と家屋のみ。当該家屋で暮らす母親と子ども3人で分割する必要があるが遺産分割協議で揉めており、父が死亡してから3年以上が経過しそうだ。

このような事例では相続人全員が「父の死亡」つまり相続の開始を知っています。また相続財産は遺産分割協議が終了するまではすべての相続人の「共有の財産」となります。したがって母親と子どもたちが父の死を知ったときに、相続登記の申請完了までのカウントダウンはスタートしているのです。揉め続けて相続登記の期限を超過してしまうと過料を請求されるおそれがあります。ですが、話し合いがまとまる前に母親や子どもが「相続人申告登記」の手続きを行えばいったんは相続登記の義務を果たしたことになるのです。 ただし相続人申告登記は正式な登記ではありませんので、

相続登記を行うまでは土地の売買を行うことはできません。遺産分割協議が終了して相続人が確定したら3年以内に相続登記を申請しましょう。

 

❏相続登記を行わずに放置すると過料以外にもデメリットはある?

相続登記は令和6年4月1日から義務化され、相続登記を申請しなければ過料が請求されるケースはあります。とはいえ過料が請求されるのは限られたケースですので、相続登記を放置したくなる方もいらっしゃるでしょう。そこで相続登記を怠った場合のデメリットを解説します。

不動産売却のチャンスを逃してしまう

正しい所有者である相続人に土地の名義を変更していなかった場合、不動産を売却したいときにすぐさま手続きを行うことができません。売却するためには、相続登記が必要です。「被相続人の相続人は1人だけ」というケースであれば、相続登記の手続きにすぐに着手できます。

ですが、複数の相続人が存在している場合はすべての相続人の同意等が必要です。遺産分割協議で相続財産を等しく分割していたとしても、相続登記のためにはすべての相続人の署名捺印がある遺産分割協議書や相続人全員の現在の戸籍が求められます。

相続人が複数いる場合やすでに相続人が死亡している場合には、書類の収集に数か月以上の期間がかかることもあります。

 

❏2次相続、3次相続が発生して相続登記自体が困難になる

被相続人の死亡から時間が経過すると、相続人が死亡することも珍しくありません。

相続人が死亡するとその子どもが代襲相続と言って代わりに相続する権利を有します。これを2次相続とも呼びます。相続が経てば経つほど相続人が増えてしまい、相続人の把握だけで長い時間がかかることになるのです。そうなると相続人全員から同意を得ることは不可能に近く、相続登記自体が難しくなります。ご自身が住んでいる不動産あっても自分の名義にすることも、売却することもできないのです。

 

❏まとめ 相続登記でお困りなら専門家に相談を!

相続登記の義務化が目前に迫り、すでに「相続人が多すぎてどうすればよいのかわからない不動産」を抱えてお困りの方もいらっしゃるかと思います。これからの相続のことも考えて相続登記の義務化を機に権利関係を正確に反映した登記を行いませんか?

「ソレイユ相続相談室」にご依頼いただければ、相続登記の手続きをすべて代行いたしますのでお気軽にご相談ください。

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