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建物を相続する場合の評価方法

2023/09/29
建物を相続する場合の評価方法
自宅や賃貸アパートなどの建物を相続する場合、その建物の評価額に基づいて相続税が計算されます。この記事では建物の評価方法のほか、建物を活用した相続税の節税方法についても解説しています。

相続が発生すると、亡くなった人の持っていた財産に相続税がかかります。

具体的には、預貯金や土地・建物などです。しかし、土地や建物がそのままの状態では金額が分からず、相続税の計算をすることができませんよね。

そこで、相続では土地や建物の「評価」をして、その評価額をもとに相続税の計算をすることになっています。 

今回は、評価の必要な財産のうち「建物」の評価方法について、ご説明していきます。

 

 

建物の種類によって評価方法が異なる

建物は

①被相続人(亡くなった人)が自宅や事業用に所有している建物

②他の人に貸している建物

③賃貸アパート

の3種類で、評価方法が異なります。

 

 ①被相続人が所有している建物 

被相続人が自宅や事業のために所有している建物の相続税評価額は、

固定資産税評価額×1.0で求めることができます。

要するに、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になる、ということです。例えば、固定資産税評価額が800万円の建物を相続する場合、相続税評価額も800万円となります。 

なお、固定資産税評価額は、毎年6月頃に届く固定資産税の納税通知書に記載された「評価額」と書かれた欄の金額です。

 

②他の人に貸している建物

被相続人が持っていた建物を他の人に貸している場合、

建物の相続税評価額は固定資産税評価額×(1−借家権割合)で計算します。

借家権割合とは建物の価値に占める借家権の割合のことで、その割合は全国どこでも30%と決められています。他の人に貸している建物は、自宅よりも多くの制約があり自由度が低いため、借家権の評価分30%を固定資産税評価額から差し引くことができるのです。

 

例えば、被相続人が他の人に貸していた建物の固定資産税評価額が1,000万円の場合、相続税評価額は1,000万円×(1−30%)で700万円となります。

 

③賃貸アパート

他の人に貸していた建物の中でも、それが「賃貸アパート」だった場合はさらに評価額を下げることができます。

賃貸アパートの相続税評価額は固定資産税評価額×(1−借家権割合×賃貸割合)で求められます。賃貸割合とは、建物の合計床面積に対して貸している床面積がどのくらいあるかで、貸している床面積が広ければ広いほど評価額が低くなります。

 

例えば、固定資産税評価額が6,000万円の賃貸アパートで、床面積300㎡のうち180㎡を貸しているとすると、賃貸割合は180㎡÷300㎡=60%ですので、この賃貸アパートの相続税評価額は6,000万円×(1−0.3×0.6)で4,920万円となります。

 

建物を活用して相続税の節税をする方法

建物は大きな財産ですので、1つ所有しているだけで相続税の額も大幅に増えることになります。そのため、建物の評価額を下げることは、それだけで効果的な節税対策となるのです。

 

①持っている建物を人に貸す

自宅以外に建物を持っている場合は、その建物を人に貸すことで評価額を下げ、相続税を減らすことができます。先ほどもご説明したとおり、被相続人が所有している建物は、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。しかし、その建物を他の人に貸すことで、相続税評価額を30%も減らすことができるのです。

もし、全く利用していない建物を持っている場合は、他の人に貸して相続税の節税をしましょう。

 

②小規模宅地等の特例を利用する 

小規模宅地等の特例とは「特定の土地」の評価額を下げる特例です。対象となる土地は、被相続人が住んでいた、貸していた、事業をしていた建物が建っている土地です。これらの土地を相続することによって、土地の評価額を最大80%も下げることができるようになっています。

これは建物ではなく土地の評価額を下げるものですが、この特例を利用することによって、結果として建物も守ることができることもありますので、積極的に利用したい特例ですね。

小規模宅地等の特例を利用するためには、いくつかの要件を満たしている必要がありますので、以下の記事で要件をご確認ください。

→「土地の評価額を下げる小規模宅地等の特例」

https://soleil-confiance.sakura.ne.jp/soleilblog/souzokuzeishinkoku/wisdom/tochihyoka_20210630

 

通常でも分かりにくい不動産の価格ですが、相続時の評価額を出すのはさらに難しくなります。

建物の相続では、少し工夫するだけで大幅に相続税を節税することができますが、建物の利用状況によって正しい対策を取らなければ、かえって多くの相続税を支払うことになりかねません。

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