エンディングノートと遺言書
エンディングノートと遺言書
相続の相談を受けていると多くの方から、
「のこされた家族が困らないようにしたい」とか「争続にならないようにしたい」などよく聞きます。
では、なぜのこされた方が困ったり、争ったりすることになるのでしょうか?その一つの要因として、万が一の場合、その人の意思がわからないからではないでしょうか?
そこで、ご自身に万が一の時を想定してエンディングノートや遺言書などが注目されております。
実際、書店に行けば多くのエンディングノートや遺言書の本が沢山並んでいる光景を目にします。
それではエンディングノートと遺言書は何が違うのでしょうか?
(1) エンディングノートの特徴将来
将来、自分に万が一の事があった場合に備えて、家族などの周りの方に伝えたいことやご自身の希望をまとめておくことができるノートです。
これは、死後の事だけでなく幅広く記載出来る事も特徴です。
万が一というのは、病気やけがで意思表示できなくなった場合も含まれます。
エンディングノートに記載されている項目も様々です。
以下代表的な項目を記載しております。
1. 自分について(自分史や自分の周りの方への思い、連絡先家系図など)2. 介護や終末医療について(誰に介護をお願いしたいのか、病名の告知や延命措置など)
3. 葬儀、お墓について4. 財産について
エンディングノートは、特にきまった書式がないので気軽に自分の思いを遺すことができます。
(2) 遺言書の特徴
亡くなった後のことについての最後の意思表示ですが、記載出来る項目や書式などが決まっており、それに沿った形で作成することが必要です。ただし、法的な効力がある点が最大の特徴になります。
以下に遺言書に記載できる法律的に効果が認められる項目をいくつか記載します。
1。遺産の処分
2. 相続分の指定
3. 遺産分割方法の指定
4. 遺言執行者の指定
共に、良い点がありますので、その特徴を知った上で両方をうまく活用して欲しいと思います。
ここで1つ両者の利用の仕方をご紹介しましょう。
まず、エンディングノートでご自身の事をじっくり記入してみて下さい。
そしてその自分の思いを伝えるためにどのようにすればいいのか準備をしてみることをお勧めします。
財産などについては、自分の思いがしっかり決まった場合、公正証書遺言にしておくことで自分の想いがきちんと履行される可能性が高くなります。
また、介護や終末医療、葬儀など遺された方が判断するのには大変なことはエンディングノートでご自身の希望をしっかり残しておくことで家族が助かることもあります。
似ているようで違うこの二つですが上手に活用することで、遺された方が困ることや争うことが減ると思います。