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相続対策を始めよう! 「 自筆証書遺言 」の書き方 文例集2

2023/09/29
相続対策を始めよう! 「 自筆証書遺言 」の書き方 文例集2
自筆証書遺言は、日付、署名、捺印の形式的要件を満たさなければ無効になってしまいます。また、内容については、誰に何を相続させるかを明確に記載しなければなりません。自筆証書遺言の作成のポイントと文例をケース別に解説します。

「自筆証書遺言 書き方 文例集1」に引き続き、さまざまなケースを想定して遺言書の書き方をご紹介していきます。

❏作成のポイントと文例

6.遺言書で子の認知をする場合

遺言書

遺言者 川崎太郎は、次の通り遺言する。

1.遺言者は、自分と山田育代(神奈川県川崎市〇〇町〇丁目〇番〇号、昭和〇〇年〇月〇日生)との間に生まれた子、山田正夫を認知する。

氏名 山田正夫(平成〇〇年〇月〇日生)
本籍 神奈川県川崎市〇〇町〇丁目〇番地
住所 神奈川県川崎市〇〇町〇丁目〇番〇号
戸籍筆頭者  山田育代

2.遺言者の有する次の財産を、認知した子、山田正夫に相続させる。
(1)〇〇銀行 〇〇支店 普通預金口座番号 1111111

3.遺言執行者の指定
遺言者は本遺言の執行者として次の者を指定する。
横浜市中区〇〇丁目〇ー〇
税理士法人共同会計社

令和4年7月1日
横浜市青葉区あざみ野〇丁目〇〇番地〇〇
川崎太郎 印

<ポイント>

愛人との間の子を遺言で認知して、財産を相続させる場合の文例です。

このケースでは、遺言執行者を指定しておくことが重要です。

遺言執行者の指定があれば、他の相続人の関与なく遺言の執行ができますので、確実に認知した子に財産を相続させられます。

遺言執行者の指定がないと、相続人全員の署名、捺印、印鑑登録証明書が必要になるため、手間と時間がかかります。

7.推定相続人の廃除

遺言書

遺言者 川崎太郎は、次の通り遺言する。

1.遺言者は、長女 川崎智子(平成〇〇年〇月〇日生)を、以下の廃除事由により相続人から廃除する。
(*廃除事由を具体的に記載)

2.遺言執行者の指定
遺言者は本遺言の執行者として次の者を指定する。
横浜市中区〇〇丁目〇ー〇
税理士法人共同会計社

令和4年7月1日
横浜市青葉区あざみ野〇丁目〇〇番地〇〇
川崎太郎 印

<ポイント>

相続人廃除が客観的に正当とみなされるよう、廃除理由を具体的に書いてください。

また、相続廃除の手続きは、遺言執行者にしかできませんので、遺言執行者を選定してください。

なお、廃除した人に子どもがいる場合、子どもから代襲相続人として遺留分侵害額請求をされる場合があることに留意してください。

8.相続人廃除の取り消し

遺言書

遺言者 川崎太郎は、次の通り遺言する。

1.遺言者は、長女 川崎智子(平成〇〇年〇月〇日生)についての廃除を取り消す。

2.遺言執行者の指定
遺言者の本遺言の執行者として、長男川崎一郎を指定する。
付言 長女智子については、遺言者である私に度重なる暴言、暴行を加えたため、平成17年4月1日 家庭裁判所へ相続人からの廃除を申し立てました。しかし、本人が改心し私への謝罪があったため、これまでのことは水に流し許すことにしました。
(*付言は無くても可)

令和4年7月1日
横浜市青葉区あざみ野〇丁目〇〇番地〇〇
川崎太郎 印

<ポイント>

生前に家庭裁判所へ「相続人の廃除」の申し立てを行っていた場合に、その廃除の撤回(相続人へ戻す)を遺言書ですることができます。

廃除の撤回には、遺言執行者が家庭裁判所へ「廃除の取り消し」を請求しなければなりませんので、遺言執行者を指定してください。

なお、家庭裁判所への「廃除の撤回」の申し立ての際には、撤回の理由は不要です。

9.兄弟、姉妹へ相続させたくない場合

遺言書

遺言者 川崎太郎は、次の通り遺言する。

1.遺言者は遺言者の有する下記を含むすべての財産を、遺言者の妻川崎花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

(1)土地
所在 横浜市青葉区あざみ野〇丁目
地番 〇〇番〇〇
地目 宅地
地積 150平方メートル

(2)建物
所在 横浜市青葉区あざみ野〇丁目〇〇番〇〇
家屋番号 〇〇番〇〇
種類 居宅
構造 木造合金メッキ鋼板2階建
床面積 100平方メートル

(3)預貯金
〇〇銀行 〇〇支店 普通預金口座番号 9999999
ゆうちょ銀行 ゼロニハチ支店 通常貯金 記号22222 番号11111111
2.遺言執行者の指定
遺言者は本遺言の執行者として次の者を指定する。
横浜市中区〇〇丁目〇ー〇
税理士法人共同会計社

令和4年7月1日
横浜市青葉区あざみ野〇丁目〇〇番地〇〇
川崎太郎 印

<ポイント>

遺言者に、子や孫、直系尊属にあたる父母、祖父母がいない場合、相続人になる人は、配偶者と、遺言者の兄弟、姉妹です。兄弟、姉妹が既に死亡していて、子どもがいれば、甥や姪が代襲相続人になります。

遺言者が財産のすべてを、配偶者である妻に相続させたい場合は、遺言書を作成します。

兄弟、姉妹には遺留分がありませんので、遺言書があることで妻が財産の全部を相続することが可能です。

また、遺言執行者を指定しておけば、兄弟、姉妹の関与なく遺言が執行されますので、必ず指定しておきましょう。指定がないと、相続人となりうる人(兄弟、姉妹)全員の署名、捺印、印鑑登録証明書が必要になります。

10.嫁に遺贈したい場合

遺言書

遺言者 川崎太郎は、次の通り遺言する。

1.遺言者は、遺言者の有する次の預貯金を長男の妻、川崎涼子(横浜市緑区〇丁目〇〇番〇号 平成〇〇年〇月〇日生)に遺贈する。

〇〇銀行 〇〇支店 普通預金口座番号 9999999
ゆうちょ銀行 ゼロニハチ支店 通常貯金 記号22222 番号11111111
2.遺言執行者の指定
遺言者の本遺言の執行者として、長男川崎一郎を指定する。

令和4年7月1日
横浜市青葉区あざみ野〇丁目〇〇番地〇〇
川崎太郎 印

<ポイント>

通常、息子の妻には、相続権はありません。相続権のない人に財産を渡したいときには、「相続」ではなく「遺贈」という言葉を使います。

また、このように法定相続人でない人が、財産をもらうようなケースでは、遺言執行者を指定しておくことで、他の相続人の関与なく遺言が執行できます。

❏遺言執行者とは

今回、ご紹介した遺言書の例は、遺言執行者が必要なケース、または、いた方がいいケースです。

遺言執行者とは、文字通り相続を遺言書通りに執行するための手続きを行う人のこと。

未成年者または、破産者以外であれば誰でも遺言執行者になることができます。推定相続人の中から選任してもいいですし、第三者である知人、または、弁護士、税理士、司法書士などに依頼することも可能です。

遺言執行者は、相続人の関与なく遺言を執行できる権限を持ちますので、遺言執行者を選任しておくことで、相続発生後の諸々の手続きがスムーズに進みます。

ただし、遺言書の内容によっては、遺言執行者にはそれなりの負担が生じますので、身内や知り合いに依頼するのであれば、あらかじめ打診しておいたほうが良いでしょう。

なお、遺言の内容が込み入っている、相続人の間で揉めることが予想される場合は、遺言書の作成と同時に、遺言執行者についても専門家へ依頼したほうが安心です。

❏まとめ

想定される5つのケースの遺言書の文例をご紹介しました。

遺言執行者が必要なケースで、遺言執行者が指定されていない場合では、遺言書自体は有効ですが、家庭裁判所へ遺言執行者選任の手続きを行わなければなりません。

家庭裁判所への申し立てから、必要書類の収集、そして、遺言執行者が選任されるまで数か月を要する場合もあるようです。

相続をスムーズに行うために、遺言書にて遺言執行者の指定をしておきましょう。

親族や知人に適任者が見つからない場合は、専門家への依頼が現実的です。

まずは、ソレイユ相続相談室の無料相談をご利用ください。

 

 

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