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相続税の延納と物納

2023/09/29
相続税の延納と物納
相続税の納税期限は「相続の開始を知ったときから10ヶ月以内」です。この記事では、相続税の延納・物納について詳しく解説しています。

相続税の課税価格の合計が基礎控除額を超える場合には「相続が始まったことを知った時から10ヶ月以内」に相続税の申告が必要です。

相続税の納付」も相続税申告と同様、「相続が始まったことを知った時から10ヶ月以内」に金銭を添えて納付します。相続税の納付は現金一括ですので、納付するべき相続税を10ヶ月以内に、現金で用意しなければなりません。

もし、相続財産のほとんどが不動産であった場合、「多くの相続税がかかるにもかかわらず、現金がない」という状況になりかねません。どうしても、期限までに納税資金を用意できない場合は、一定の要件を満たしていることで、相続税の延納・物納を使うことができます。

今回は相続税の延納・物納について、使用方法や要件などをご説明していきます。

○延納・物納とは

延納」とは、その名の通り、相続税の納付を延期してもらうことです。延期することができるのは納付が困難な額のみで、納税資金をいくらか持っている場合は、その部分に関しては延納の適用外となります。

例えば、2021年9月1日までに300万円の相続税を納付しなければならないが、200万円しか用意できなかったため、延納を適用して残りの100万円の納税期限を2022年2月1日にしてもらうケースなどです。

また、「物納」とは、本来は現金で納付しなければならない相続税を、現金以外の物で納付する方法です。特に、現金ではなく不動産など評価額の高い財産ばかりが残っている相続で活用されることがあります。

ただし、延納や物納は簡単に使うことができるわけではありません。使用するためには、現金一括で納付できないことを証明する要件を満たす必要があるのです。

○延納を使うための要件

延納を使用するためには、以下の要件を全て満たしている必要があります。

【延納の要件】
①相続税額が10万円を超えること
②納付期限までに金銭で一括納付することが困難であること
③延納税額および利子税の額に相当する担保を提供すること
④申告期限までに「延納申請書」と「担保提供関係書類」を提出すること

③の「担保」とは、もし納税者が相続税を支払わなかった場合に備えて、あらかじめ物品を提供することです。例えば、不動産を担保に入れると、延納した相続税を支払えなくなったときに、担保に入れていた不動産を売ったお金を相続税の支払いに充てることになるのです。

ですから、延納する相続税額よりも低い価値の物品を担保に入れることはできません。ただし、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。

もちろん、延納は納税期限を過ぎて相続税を支払っている状態ですので、延期期間に応じた「利子税」がかかります。

本来支払うべき相続税よりも多くの税金を支払うことになるため、なるべく使用したくない方法です。「延納があるから大丈夫」と決めつけずに、納税期限までに納税資金集めを頑張りましょう。

○物納を使うための要件

物納を使用するためには、以下の要件を全て満たしている必要があります。

【物納の要件】
①延納によっても金銭での納付が困難な額であること
②物納する財産が国内にあり、以下の順位で納付すること

第1順位:不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式等
第2順位:非上場株式等
第3順位:動産
③申請により税務署長の許可を受けること
④申告期限までに「物納申請書」「物納関係書類」を提出すること

物納できる財産には種類と順位が決められており、遺産の中に第1順位の財産がある場合は第1順位から、第1順位の財産がない場合は第2順位から物納をすることになります。

例えば、遺産の中に不動産がある場合、不動産は第1順位ですので不動産を優先的に物納します。逆に、第3順位の動産で物納をしたいが、第1順位の不動産がある場合は不動産で物納をしなければなりません。

また、抵当権が付いている不動産や境界が明らかでない不動産は、物納の対象とはなりませんのでご注意ください。

しかし、物納はなかなか認められない方法です。相続税の納税期限を過ぎる前に、不動産や価値のある動産を売って納税資金を用意することも検討しておきましょう。

相続が始まったら、すぐに「相続税がいくらかかるか」「どうやって支払うか」をシミュレーションすることが大切です。相続税のシミュレーションは、相続税に詳しい税理士にぜひご相談ください。

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