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相続時精算課税適用者の債務控除

2023/09/29
相続時精算課税適用者の債務控除
高額な生前贈与を無税、あるいは一律20%の税率による贈与税で行うことができる「相続時精算課税」とは? この記事では、「相続時精算課税」について説明します。

相続時精算課税適用者の債務控除

【相続時精算課税】

高額な生前贈与を無税、あるいは一律20%の税率による贈与税で行うことができる「相続時精算課税」については、相続税と贈与税の一体化を行っているために手続きが少々複雑です。

「相続時精算課税」は生前贈与の際に適用できる制度です。制度の内容としては、「生前贈与をする時は2,500万円まで贈与税を非課税とし、2,500万円を超えた分は一律20%の贈与税を課税する。その後、その贈与をした人が亡くなった場合には、手元に実際に残っている遺産だけでなく、生前に相続時精算課税の制度を使って贈与した財産にも相続税を課税する」制度です。つまり、非課税だった生前贈与に係る財産については相続税が課税され精算されるわけです。具体的な数字を入れて計算すると次のような流れになります。

≪相続時精算課税と相続税の関係の一例≫
① AがBに全財産である4,000万円を贈与する。
② Bは贈与を受けた翌年3月15日までに相続時精算課税制度による贈与税の申告をし、①に係る贈与税300万円を納税する。

 〈算式〉
 贈与税300万円=(贈与財産4,000万円-非課税2,500万円)×税率20%

③ その後Aが死亡する。(死亡時の財産0円、相続人はBのみとする。)
④ BはAについての相続税申告をし、260万円還付してもらう。

 〈算式〉

 正味の遺産額4,000万円=死亡時の財産0円+相続時精算課税財産4,000万円(※)

 相続税額40万円=(正味の遺産額4,000万円-基礎控除3,600万円)×税率10%

 還付額260万円=相続税額40万円-②で納付済みの贈与税300万円(※)

(※)Aの手元には1円の財産もありませんが、相続時精算課税制度を適用して贈与した場合にはその贈与財産を相続財産として計算しなければなりません。その代わり、相続時精算課税制度による贈与税を納付している場合には、今回計算された相続税から控除することができます。これにより、同じ財産に対する贈与税と相続税との二重課税を排除しています。

【相続時精算課税適用者の債務控除】

控除して相続税を計算していいというわけです。
もしも、上記の例でAに借金500万円があった場合はどうでしょうか。Aの死亡時の財産は0円ですから、ここから控除することはできません。この場合には相続時精算課税制度の適用を受けた4,000万円から控除して良いことになっています。従って債務があった場合の相続税の計算は次のようになり、以前納めた贈与税300万円の全額が還付されます。

 〈算式〉

 正味の遺産額3,500万円=死亡時の財産0円+相続時精算課税財産4,000万円-借金500万円

 相続税額0円=正味の遺産額3,500万円<基礎控除3,600万円 よって相続税課税なし

 還付額300万円=相続税額0円-納付済みの贈与税300万円

ただし、相続時精算課税適用者(上記の例ではBのことをいいます。)が相続放棄していた場合、この控除は適用されませんので気を付けましょう。相続放棄をしていても、相続時精算課税制度により贈与を受けた財産には相続税が課されるからです。また、日本国内に住所を有しない場合などにも債務控除の取扱いが変わりますので注意が必要です。
 

 

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