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祭祀財産で相続税対策はできる?[後編] 仏壇やお墓は生前購入すべきか?

2023/09/29
祭祀財産で相続税対策はできる?[後編] 仏壇やお墓は生前購入すべきか?
「祭祀(さいし)財産」という言葉をご存じでしょうか。この祭祀財産にまつわる相続に関しては一体どんなトラブルが起きているのでしょうか。この記事では祭祀財産の概要や、祭祀財産の管理などに関するトラブルについて詳しく解説します。

スーツを来た人がお墓を指している前回は「祭祀財産」について、概要や管理上で起こりやすいトラブルについて解説を行いました。祭祀財産は現金や預貯金とは異なり、仏壇やお墓など祖先にまつわる大切な財産のことです。代々受け継がれてきた家系図や神具なども祭祀財産として該当し、最大の特徴として相続時には「非課税の財産」として扱われることが挙げられます。この特徴を生かして、仏壇や墓地、お墓の販売業の方は「相続税の節税効果がある」と謳って販売を行うケースもあります。では、祭祀財産で相続税の対策はできるのでしょうか。

今回の記事では祭祀財産を相続税対策の視点から詳しく解説します。

祭祀財産とは一体どんな財産を指すの?

祭祀財産とは以下の3つに分類をすることができます。

詳しくは前回記事もご参考ください。前回記事は➡コチラ

祭祀財産三種類のイラスト


そもそも相続税はなぜ支払う必要があるの?

家族の残した大切な財産ですが、相続時には相続税が発生する場合があります。支払い義務のある相続人にとって非常に重い税負担であり、「こんなに高額の相続税を払うとは」と驚かれる方も多い税金です。被相続人の生前から家族が一丸となって何か対策を講じれば良かったと後悔される方も少なくありません。相続税の支払いが必要となった場合には対象となる相続人が支払う必要があり、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内という期限もあります。(※1)

では、なぜこのような重い相続税の制度があるのでしょうか。財務省のHPを引用すると、

「相続税には資産を再分配する機能がある」と掲げています。相続人が亡くなった際に税金を納めることで、その税を広く社会へ再分配することができます。 経済格差を埋める効果もあり、特に相続財産の金額が大きい方は納付税額が大きくなるのです。

参考記事は➡コチラ 財務省 身近な税 Q&A ~身近な税について調べる~

(※1)相続税の納付については被相続人の死亡日ではなく、知った日の翌日から起算します。

祭祀財産はどうして無課税なの?

重い税負担ですが社会的な意義もある相続税ですが、なぜ祭祀財産については相続時に無課税とされているのでしょうか。仏壇や墓地は高額の場合も多く財産であるようにも感じますが、もしも相続税の課税対象となった場合には祖先を代々大切に祀ってきた場所、慣習が相続によって失われる可能性があります。相続税や被相続人が残した負債があまりにも大きい場合には相続放棄を選択するケースも決して珍しくないからです。相続放棄を行ったら相続財産の一切は放棄しなければならず、仏壇や墓地なども失ってしまいます。墓石や仏壇などは非常に古く大切なものも数多く存在しており、多くの国民が長きにわたり大切に継承してきている背景もあります。

大切な信仰、古くから受け継がれてきた仏壇や墓などを相続によって失わないために、祭祀財産は相続財産の範囲から分けて考えられています。相続放棄を行っても祭祀財産は放棄する必要はありません。

祭祀財産は相続税対策には有効?

祭祀財産は相続税が無課税、ということは「相続税対策」に有効なのではないかという疑問を持ちませんか。墓地販売や仏具の販売のサイトなどを除いてみると、祭祀財産が無課税となる観点から販売を促進していることもあります。お墓や墓地などの祭祀財産を生前に購入していても、相続財産にはみなさないという観点から相続発生時の評価にも組み入れる必要はありません。つまり、祭祀財産を生前に購入すること相続税対策として有効なのです。

冒頭に触れたように、祭祀財産に該当する祭具や墳墓の購入を相続前対策の視点からも購入を検討してみましょう。

祭祀財産を使った相続税対策は終活としても有効

相続税対策、と聞くとお金に関する印象が強まりますが、生前からご自身の仏壇や仏具、墓地やお墓などを購入していくことは「終活の一環」としても有効です。終活とは人生の終わりに向かって、ご自身の身辺を整理したり、相続に備えて遺言書や贈与などの準備を開始したりすることを意味します。終活にはエンディングノートの作成や財産の整理など色んな方法が考えられますが、墓地などをご自身で購入しておくことで残されるご家族の費用負担を減らす効果もあります。墓地や墓石は高額となりやすく、加えて仏壇なども購入するとなると高額の支出が必要です。相続税対策にもなり現在不便に感じている部分を整えていくことはご家族全体にとって大きなメリットになるでしょう。

また、現在管理しているご親族の墓地が遠い場合には、墓じまいを行い、新たなお墓をお子様などが管理しやすい場所にまとめるようにしてご用意することもおすすめです。ご家族とも相談しながらお墓や墓地について考えてみてはいかがでしょうか。なお、墓地の場合には土地の購入を行うように感じるかもしれませんが、墓地は使用権を購入する行為です。そのため不動産取得や登記代なども不要です。

祭祀財産を相続税対策に使えないケースも?3つの注意点をご紹介

祭祀財産を相続税対策に活用することは有効な手段ですが、必ずしもすべての祭祀財産が相続税対策に有効なわけではありません。以下のようなケースでは除外されてしまうので注意が必要です。

①ローンを組んで祭祀財産を購入する場合は注意

相続税対策を目指して墓地や仏壇類を、ローンを組んで購入する場合残債が残ったまま亡くなられてしまっても債務控除(※2)には認められません。現金で買う、もしくはローンの回数をできるだけ少なく設定しておき、確実に返済を終えておくことが重要です。

(※2)債務控除とは

債務控除とは相続税の計算時に相続財産からローンなどの借入金分を控除できるしくみです。祭祀財産は相続税非課税であるため、被相続人が祭祀財産の購入の残債を残していても債務控除はできません。

②あくまでも祭祀を目的として購入する必要がある

相続税対策で祭祀財産を購入する場合、ついつい価値のある高価な骨とう品を購入したくなるかもしれません。祭具などは価格に相当の開きがあり、低価格のものから驚くほど高価な骨とう品も販売されています。また、純金でできているものや宝石などが散りばめられた装飾豊かな祭具もあります。これらの祭具は投資の対象とみなされる可能性が高く、祭祀財産とはみなされず相続税の課税対象となるのです。祭祀財産の非課税という特性を利用して、高額の祭具などを買い求めすぎることは大変危険です。

③相続税対策としては弱い

相続税対策に一定の効果がある祭祀財産の購入ですが、購入金額が小さい・保有している財産が高額の場合には相続税対策としての効果は弱いと考えられます。上記で触れたように高額の祭祀財産は投資目的とみなされる可能性が高いため、高額の製品は回避し相場相応の祭具類を購入することになります。高すぎる墓地や祠なども投資対象とみなされる可能性があるため、慎重に購入を検討する必要があるでしょう。

すると、結果として祭祀財産を活用した相続税対策は効果が弱いとも言えます。相続税対策を行う際には、その他の対策も上手に組み合わせることがおすすめです。

祭祀財産を相続税対策に活用する場合は、その他の対策にも注目を

祭祀財産の購入を相続税対策の一環として検討している場合には、まず現在の財産状況などを税理士に相談をし、相続税対策を色んな方法で検討してみることがおすすめです。例として、生前贈与や生命保険の活用なども考えられます。色んな相続税対策を駆使することにより、残されるご家族の負担も大きく減らすことができます。

相続税対策に関するご相談は、お気軽にソレイユ相続相談室へお問い合わせください。

 

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