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相続手続きをより安く、より効率的に進めるためのポイント集

2023/09/29
相続手続きをより安く、より効率的に進めるためのポイント集
相続手続き!相続を経験する方の殆どはその煩雑さに驚きます。また、面倒を先に延ばして専門家に依頼したら報酬が高くなったと言う声も。 相続手続きをより安く簡単に済ませるためのポイントが詰まっています。

初めての相続で、ほとんどの方は相続手続きが面倒なのに驚きます。
銀行も証券会社も会社が違えば書式も違うし、役所を回ってもみな書き込む書類が違っています。
煩雑で手間がかかる相続手続きをより安くより簡単に済ませるポイントが満載です。

1 手続きは幅広いので、やみくもに動かずまず故人の資料を探す

(1)相続手続きの流れ

相続手続きの主なものを書きだしてみました。
手続きそのものは具体的にはさらに多くなります。
 例 金融機関毎に必要な手続き等
※③からは遺産相続の手続きとなります。

①死亡日より7日以内

死亡診断書を発行してもらう
ご家族が亡くなった場合、まず初めに行うのが「死亡診断書の入手」です。死亡診断書は人の死亡を医学的・法律的に証明するもので、火葬・埋葬の許可を取る際や、保険・年金などの手続きを行う際に必要になる書類です。
死亡診断書の発行方法は亡くなった方の死亡時の状況によって異なりますので注意しましょう。亡くなった方が入院していて、入院先の病院で死亡した場合は、担当医師によって死亡診断書が発行されますが、自宅で死亡した場合は、生前に診察をしていた主治医が発行することになります。
もし、亡くなった方が生前に診察を受けずに死亡した場合は、死亡診断書ではなく死体検案書が発行されます。

役所へ死亡届を提出する
死亡届とは、その人が死亡したことを証明するための書類で、死亡から7日以内に亡くなった方の本籍地・死亡地または死亡届出人の所在地の市区町村役所(場)に提出します。
死亡届の用紙は市区町村役所(場)や病院などに置いてあることが多く、用紙の左側が死亡届、右側が死亡診断書となっています。死亡診断書の方は医師に記入してもらったら、左側の死亡届に必要事項を記入しましょう。
また、死亡届の提出は誰にでもできるわけではありません。死亡届の届出ができるのは、亡くなった方と同居していた人、親族、家主、地主、不動産の管理人、後見人、葬儀会社など、亡くなった方と関係のある人のみです。
死亡届は生命保険等の請求の際にも必要になりますので、提出前にコピーを取っておきましょう。

死体火葬・埋葬許可証を発行してもらう
死亡届と同時に、火葬や納骨に必要な火葬・埋葬許可証を発行してもらうために、死体火葬・埋葬許可申請書を提出します。提出先は死亡届と同じで、亡くなった方の本籍地・死亡地または死亡届出人の所在地の市区町村役所(場)です。死体火葬・埋葬許可申請書・許可証は、埋火葬許可申請書・許可証埋葬・火葬許可申請証・許可証など、自治体によって名称が違ってきます。
火葬・埋葬許可申請書が受理され、火葬・埋葬許可証を受け取ることができたら、この許可証を葬儀会社に渡して葬儀を行うことになります。なお、葬儀会社が死亡届と火葬・埋葬許可の手続きをしてくれるケースもあります。

健康保険証の返却
亡くなった方が会社に勤めており健康保険に加入していた場合は、死亡日から5日以内に会社の所在地を管轄する年金事務所に対して、健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届を提出します。

健康保険の資格喪失に関する手続きは基本的に会社側で行いますので、まずは亡くなった方の勤め先の担当部署に確認しましょう。また、健康保険証も会社を通して返却されますので、亡くなった方と扶養されていた家族の健康保険証を会社に返却します。

このように、健康保険の手続きは遺族が行うことはありませんが、もし会社が手続きをしてくれない場合は、会社の所在地がある各都道府県の協会けんぽ、または会社が加入している健保組合で手続きをしてください。
亡くなった方の健康保険の扶養に入っていた家族は、死亡日の翌日から保険証が使えなくなりますので、他の家族の扶養に入るか自身で国民健康保険に加入しなければなりません。

②死亡日より10~14日以内

住民票抹消手続きと住民票の除票の写しを請求する
亡くなった方の死亡日から14日以内に「住民票の抹消」を行います。ただし、通常は死亡届を提出したことにより、自動的に住民票から抹消されますので、特別な手続きをする必要はありません。

住民票からの抹消が反映されると、「住民票の除票」の写しの交付を申請できるようになります。住民票の除票は、かつてそこに住んでいたことの証明や、その方が亡くなっていることの証明のために用いられる書類で、主に不動産の登記や相続税申告のときに必要になります。

除票の写しを取得したい場合は、亡くなった方の住所地の市区町村役所(場)に、亡くなった方の住民基本台帳カードと届出人の身分証明書を持って行き、申請する必要があります。

世帯主を変更する
亡くなった方がその家の世帯主で、残された世帯員の人数が2人以上の場合は「世帯主変更届」を提出しましょう。ここでの世帯員とは、世帯主以外で世帯を構成する人のことを言います。

残された世帯員が1人の場合や、15歳未満の子供とその親など次の世帯主が誰になるか明確な場合は、世帯主変更届を提出する必要はありません。
それ以外の場合では、死亡日から14日以内に世帯主変更の手続きが必要になります。

手続きは、亡くなった方の住所地の市区町村役所(場)に届出人の印鑑と身分証明書を持参して行います。
手続きができるのは新しく世帯主になった人と同一世帯の人だけですが、委任状があれば代理の人が行うこともできます。

年金受給停止の手続きをする
亡くなった方が厚生年金や国民年金を受け取っていた場合は、年金事務所または年金相談センターで「年金受給停止の手続き」を忘れずに行います。年金受給停止の手続きには、年金受給者死亡届、亡くなった方の年金証書、戸籍抄本や死亡診断書など死亡の事実を証明できる書類が必要になります。

また、亡くなった方が厚生年金を受け取っていた場合は死亡日から10日以内、国民年金を受け取っていた場合は死亡日から14日以内に書類を提出しなければなりませんので、間違いのないよう十分注意しましょう。

なお、亡くなった方にまだ受け取っていない年金があれば、「未支給年金請求書」を提出して年金の残額を受け取ることができます。

役所へ国民健康保険証を返却する
亡くなった方が国民健康保険に加入していた場合は、死亡日から14日以内に亡くなった方の住所地にある市区町村役所(場)に対して「国民健康保険証の返却」の手続きをします。

手続きには、国民健康保険資格喪失書の他に、亡くなった方の保険証、印鑑、死亡届など死亡を証明できる書類が必要になりますが、自治体によって必要な書類が異なりますので、手続きをする前に確認しておきましょう。

また、亡くなった方が75歳以上であれば、「後期高齢者医療資格喪失届」を提出します。手続きには後期高齢者医療資格喪失届の他に、後期高齢者医療被保険証、限度額提供認定証または限度額適用・標準負担減額認定証が必要になります。

提出先や提出期限は国民健康保険の場合と同じですが、提出書類が異なりますので注意が必要です。

介護保険資格喪失届と介護保険被保険者証を返却する
亡くなった方が65歳以上であった、または40歳以上65歳未満で要介護認定を受けていた場合は、死亡日から14日以内に「介護被保険者証の返却」の手続きをします。手続きは、亡くなった方の住所地にある市区町村役所(場)に、介護保険資格喪失届、介護被保険者証を提出して行います。

なお、亡くなった方が65歳以上で未納保険料がある場合、未納分の保険料は亡くなった方の相続人が払わなければならず、逆に保険料を納めすぎていた場合は、超過分が相続人に還付されます。超過分の保険料の還付を受ける場合は、還付通知書兼振込依頼書などの書類が届きますので、必要事項を記入して市区町村役所(場)に提出してください。

③遺産についてはできる限り早い段階で

遺言書の有無の確認・検認
遺言書とは、亡くなった方が残した最後の手紙です。主に自分の財産の分け方などが書かれており、遺言書があることで相続手続きをスムーズに進めることができます。遺言書の有無の調査に期限はありませんが、他の相続手続きに影響を与えるため、なるべく早く調査をする必要があります。
遺言書の保管場所は遺言の種類によって異なりますので、自筆証書遺言であれば自宅の机や棚、法務局など、公正証書遺言であれば公証役場を探して見ましょう。公正証書遺言の有無は全国の公証役場で調べることができます。

また、遺言が見つかった場合は、勝手に開けてはならず、家庭裁判所で「検認の手続き」を行わなければなりません。
検認には相続人に対して遺言の存在・内容を知らせ、その後の偽造や変造を防ぐ目的があり、この検認を済ませて初めて遺言の内容を実現することができます。

検認の手続きを行う裁判所は、亡くなった方が最後に住んでいた地域を管轄する家庭裁判所です。申立てには遺言者、申立人、相続人の戸籍謄本を用意しなければなりませんので、事前に裁判所に必要書類を確認しておくとよいでしょう。
ただし、公正証書遺言と法務局で保管されている自筆証書遺言は検認の手続きが必要ありません。

④死亡日より3か月以内

相続の単純承認、限定承認、相続放棄を検討する
亡くなった方にどのような財産があるか分かったら、その財産を相続するかどうかを選ぶことができます。相続の方法には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つの選択肢があり、各相続人は相続があったことを知ってから3ヶ月以内に選択をする必要があります。

単純承認とは、亡くなった方のプラスの財産もマイナスの財産も全て受け継ぐことです。
限定承認や相続放棄を行うためには手続きを行う必要がありますが、単純承認には特別な手続きが必要ありません。ただし、何の手続きもせずに3ヶ月が経った場合は、当然に単純承認になってしまいますので注意しましょう。

限定承認とは、プラスの財産の範囲でマイナスの財産を相続する方法です。亡くなった方にマイナスの財産が多いが、マイホームなどの手放したくない財産もある場合に選択されることがあります。ただし、限定承認は相続人全員が合意して協力しなければ手続きができないため、時間がかかってしまう可能性があります。
亡くなった方に明らかに借金が多い場合や、相続に関わりたくない場合は、相続放棄を行うことになります。相続放棄とは、亡くなった方の財産を一切受け継がない方法です。1度相続放棄をしてしまうと、撤回することができませんので、慎重に行う必要があります。

限定承認や相続放棄の手続きは、亡くなった方が最後に住んでいた地域を管轄する家庭裁判所で行います。それぞれの方法のメリットやデメリットを考慮して、自分に合った相続方法を選びましょう。

相続の承認または放棄の期間の伸長の申立て
限定承認や相続放棄の手続きは、相続が発生したことを知ってから3ヶ月以内に行わなければなりません。しかし、亡くなった方と疎遠だったマイナスの財産が無いと思い込んでいた、などの理由で3ヶ月以内に相続財産の調査ができず、相続の承認をするか放棄をするか選択できないこともあります。
そのような場合は、家庭裁判所に申し立てることで3ヶ月の期間を伸長することができます。

伸長の申立てには、申立書、亡くなった方の住民票除票、伸長したい相続人の戸籍謄本などが必要ですが、亡くなった方と相続人との関係によっても必要書類が異なりますので、事前に裁判所に確認しておきましょう。

⑤ 死亡日より4か月以内の手続き

準確定申告をする(亡くなった人の確定申告)
亡くなった方が個人で事業を行なっていた場合や不動産の賃貸を行なっていた場合、給与所得が2000万円を超えていた場合などは、「準確定申告」を行う必要があります。

準確定申告とは、年度の途中で亡くなってしまい確定申告ができなかった場合に、相続人が代わりに行う確定申告のことです。準確定申告ができるのは、相続人と遺言により財産を包括的に相続することになった包括受遺者のみです。

準確定申告は、相続があったことを知ってから4ヶ月以内に、「1月1日から亡くなった日までの所得」を申告し、納税しなければなりません。他の手続きよりも時間がかかるため後回しにせず、早めの準備と対応をしましょう。
なお、公的年金等の収入のみの方で400万円以下であれば確定申告は不要ですが、確定申告をすることで源泉徴収された所得税が還付される可能性もあります。

⑥ 相続人と財産が明らかになったら行う

遺産分割協議書を作成する
亡くなった方の財産が明らかになったら「誰が、何を、どのくらい相続するか」を決める話し合いを行い、これを遺産分割協議と言います。この遺産分割協議で話し合いがまとまったら、相続人全員の合意の証明として「遺産分割協議書」を作成しなければなりません。

遺産分割協議書には、後日のトラブルを防ぐため「誰が、何を、どのくらい相続するか」を明確に記載し、相続人全員の署名と押印が必要になります。
また、遺産分割協議書は主に不動産や金融機関の名義変更をする際に必要な書類ですので、必ず作成しましょう。

不動産の名義変更登記
亡くなった方に遺言があればその遺言を、ない場合は遺産分割協議書に従って実際に不動産の名義変更等を行っていきます。この手続きは一般的に「相続登記」と言われており、亡くなった人から相続人に登記を移転することで、所有権を主張することができるようになります。

不動産の名義変更(相続登記)は、その不動産の所在地を管轄する法務局で行います。手続きには登記申請書、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本と住民票の除票、相続人の戸籍謄本、印鑑証明書、遺言書または遺産分割協議書など様々な書類が必要になります。また、亡くなった方の不動産を売却する予定があるときは、一度亡くなった方から相続人に名義変更をしてから売却しなければなりませんので、なるべく早めに準備を進めておきましょう。

名義変更が必要な財産は不動産の他にも、預貯金、株式、公共料金、固定電話、クレジットカード、自動車などもあります。

相続人と財産が確定したら名義変更はお早めに
相続が発生したら、亡くなった方から相続人へ財産が受け継がれることになりますが、不動産や預貯金、株式などの名義変更に関しては、いつまでにという期限がありません。しかし、だからといって名義変更をせず亡くなった方の名義のままで放置しておくと、後々トラブルに発展するおそれがあります。

特に危険なのが、不動産の名義変更の放置です。不動産の名義を亡くなった方のままにしておくと、不動産の売却ができない、抵当権の設定ができない、誰が相続したかわからないなどの問題が生じてしまいます。また、次に相続人が亡くなった場合には面倒な手続きが必要になり、通常よりも多くの時間と費用がかかることになります。

このようなことを防ぐため、相続財産の名義変更はなるべく早めに行うようにしましょう。相続人の人数が多い場合や相続の知識がなく手続きに時間がかかりそうな場合は、専門家に依頼することも有効な手段です。

⑦ 死亡日より10か月以内

相続税申告をする
相続財産の分割が終わったら、相続財産の評価額を計算し、相続税がかかるかどうかを確認します。相続税がかかる場合は、亡くなった方の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に、相続税の申告と納税を行わなければなりません。申告・納付先は亡くなった方の最後の住所地を管轄する税務署で行います。

相続税には「基礎控除額」があり、この基礎控除額よりも相続財産の評価額が小さいときは相続税は発生しません。基礎控除額は、「3000万円+(法定相続人の人数×600万円)」で計算します。

例えば、法定相続人が3人の場合は、3000万円+(3人×600万円)で、基礎控除額は4800万円となり、相続財産の評価額の合計が4800万円以下であれば相続税がかからない仕組みになっています。

相続財産の評価額を計算した段階では基礎控除額を上回っていたとしても、配偶者の軽減税率や小規模宅地等の特例などを適用することによって、相続税がゼロになる可能性があります。各特例の要件に当てはまる場合は、所定の手続きを踏んで適用を受けましょう。

相続税申告書提出までの流れ
では、相続税申告に関する手続きの流れを確認しましょう。

亡くなった方の相続財産が明らかになったら、その財産の評価額を計算します。評価額とは、不動産や自動車などの分けられない財産の価値を金銭で評価し、相続税の計算をしやすくしたものです。相続財産の評価額は、原則として相続開始日の時価で行われます。この評価額の合計が基礎控除額の枠を超えている場合、相続税の申告と納税をすることになります。
評価額の合計を算出したら、次に納税する相続税の金額を計算します。相続税に関しては、税務署から納税すべき金額の納付書が送られてくるのではなく、相続人自ら相続税の計算をして、自分で税務署に申告・納税を行わなければなりません。課税対象額の大きさによって相続税率が異なりますので、相続税の計算に不安がある方は専門家への依頼を検討してみましょう。
相続税の金額を計算したら、いよいよ相続税の申告と納税をします。相続税の申告書は、一般的に相続人全員が共同して税務署に提出します。申告の際には、申告書の他にも亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本、死亡診断書、相続人全員の印鑑証明など様々な書類が必要になりますので、事前に税務署に確認しておきましょう。

相続税の例外的な納付方法
原則、相続税は亡くなった方の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に現金一括で納付しなければなりません。
しかし、期限までにまとまった現金が用意できない場合には「延納」や「物納」という方法で納付することができます。

延納とは、相続税を分割して少しずつ支払っていく納税方法です。延納が認められるためには、以下の4つの要件を満たしている必要があります。
 ①申告期限までに申告書を提出している
 ②相続税の金額が10万円を超えている
 ③金銭での納付が困難である
 ④延納税額と利子の額に相当する担保を提供する

全ての要件を満たしていれば最長20年間の延納が可能になりますが、納付が遅れるほど利子がかかってしまいますので注意しましょう。
一方で、物納とは、相続税を相続財産で支払う納税方法です。物納できる相続財産には優先順位が決められており、上の順位の相続財産がある場合は下の順位の相続財産で物納することができません。第1順位の相続財産は、不動産、船舶、国債、地方債、上場株式等で、第2順位は非上場株式、第3順位は動産となっています。したがって、相続財産に不動産がある場合は、車や貴重品などの動産で物納をすることができません。
なお、相続財産の不動産を売って得た代金で納税することもできます。この場合には譲渡所得の税金を安くできる方法もありますので専門家に相談してください。

⑧ 死亡日より1年以内

遺留分を侵害された場合の請求
亡くなった方の生前贈与や遺言で行った贈与によって、相続財産を受け取ることができない相続人が出てくる可能性があります。このように、贈与や遺贈によって奪われた取り分を最低限保障する制度のことを「遺留分」と言います。

例えば、亡くなった方の遺言に「私の財産は全て愛人Aに贈与する」という記載があった場合、相続人は自分の遺留分すら相続できなくなってしまいます。このような場合、遺留分を侵害された相続人は愛人Aに「遺留分侵害請求」をして、遺留分侵害の限度で財産の返還を受けることができます。

遺留分侵害請求の方法には、特に決まりはありません。受贈者や受遺者に対して意思表示をするだけで十分とされています。
また、遺留分侵害請求の期限は相続があったことを知ってから1年間、相続の開始から10年間ですので、遺留分が侵害されていることが分かったら速やかに請求をしましょう。

(2)まずは故人の持っていた資料を探しましょう。

お葬式や埋葬許可の手続きはほとんど葬儀屋さんが代行してくれます。
ここではあえて触れません。

その他上記のそれぞれの手続きは、亡くなった人の生前の加入や所属そして取引関係によって違いがあります。
(例 社会保険か国民健康保険か等)

まずは、上記の手続きの元になる故人の書類を集めてみないと、どこに何の手続きに行ってよいかがわかりません。
同居の家族が居て、亡くなった方の上記内容を把握し、書類を保管していれば手続きは進めやすいです。
(例  健康保険証を預かっていた。預金もどこの銀行にあって、通帳はどこに保管されているか聞いていたあるいは預かっていた。不動産の権利書がどこにしまってあるかわかっていた等)

ところが、亡くなった方とは別居していた、あるいは、同じ屋根の下に住んでいても財産に関する書類は別々に管理していて、どんな内容かはわからない・・・ そんな場合には、故人の生活の行われていた場所で、上記に関係しそうな書類を探し出すことになります。

上記の一覧表に関係がありそうな書類が見つかったら、すべて保管しておきます。
さらに、故人宛の郵便物は保管しておいて、上記の相続手続きの手がかりにするのです。

故人の財産探しのための資料収集は、慣れない人にはなかなか難しいものです。
専門家に依頼して探してもらうのも一つの方法です。故人の財産が誰にも見つからずに無効になることは避けたいものです。

ソレイユ相続相談室でも、故人の自宅での資料探しから、その他財産調査の業務は数多く承っております。

2 事前の下調べに時間をかけて戸籍等使いまわしの工夫をする

故人の相続手続きの元となる資料が揃ったら、元資料に記載してある役所・銀行等に電話して相続手続き(名義変更等)に必要な資料を教えてもらいます。

出向く役所、金融機関、証券会社の数が多くなってくる場合には、郵送していただける手続き資料は、なるべく郵送してもらって、あらかじめ書き込んで持参するようにしましょう。
すべてを郵送で済ませられれば良いのですが、本人確認をその場でしないと進まない手続きもあります。
また、各手続きに必要な戸籍(相続人関係図)等は、すべての提出先(手続き先)の数だけ原本を揃えると、結構なお金がかかってしまいます。

そのような場合には、原本還付といって、戸籍等を提出して相手にコピーを取ってもらって、原本は戻してもらい次の手続きに使うようにします。
この方法だと時間はかかってしまいますが経費は節約できます。

3 時間がとれない人は、専門家に依頼した方が早い

相続手続きの手続き先である、役所や金融機関は原則として土日に対応していただけません。
中には土曜に対応してくれるところもありますが、すべてを休日に完了することはなかなか難しいし、郵送を多用すると時間がかかります。  

平日に相続手続きをしている時間がとりにくい方は、相続手続きを他にお任せすることができます。
任せる先は、大きく分けると、金融機関と専門士業です。
ほとんどの金融機関で相続手続きをサービス商品として提供しています。

士業も弁護士、司法書士、税理士、行政書士が相続手続きを専門に受託しています。
金融機関のサービスは専門士業に依頼する場合と比べてコストが高くなるのが一般的です。
あらかじめ銀行のホームページで、銀行に依頼した場合に支払う相続手続きの費用がどのくらいかかるか調べておく必要があります。

金融機関の場合には、金融機関に支払う相続手続き費用の他に、別に専門士業に支払う報酬も必要になる場合があるので、専門士業に直接依頼した場合に支払う報酬の総額は最低でも2倍から3倍の料金がかかってしまいます。

専門士業の選び方は次のようになります。

1、 相続争いが起きてしまっている場合
弁護士 相続税が心配な場合には 弁護士+税理士

2、 相続争いが起きていない場合
司法書士、行政書士、相続税も心配な場合には税理士  

いずれの場合でも、相続を専門に扱っている士業に相談することがポイントです。
お医者さんでも耳鼻科の先生が盲腸の手術をしないのと同じことで、士業の先生方にも専門があるのです。  
相続手続きをスタートする前に、相続無料相談を活用して、相続手続きの方法や相続税の課税の有無を予め把握しておくことが大切です。

4 遺産分割協議は失敗すると「高くつく」ことが多い

相続手続きで最も緊張するのが遺産分割協議です。
遺産分割協議は遺言が無い場合に、相続人の方が集まって遺産をどのように分けるかを決める場です。
相続争いでもめ事になったり、嫌な場面になってしまうのは、この遺産分割協議の現場とその前の段階から起こってしまっていることが多いのです。  
遺産分割協議までに行われることはおおむね次の順番です。

1、 相続人の確定 戸籍を確認して相続人を確定する

2、 相続財産の確定(財産目録の作成) 相続財産を調べて一覧表にする

3、 遺産分割協議 遺産分割案を作って意見を出し合いまとめていく

4、 相続税額の把握

5、 遺産分活協議書の作成

6、 遺産分割協議書に基づく名義変更等  

争いを起こさないためにきちんと考えたい事  

相続財産は誰が調べるのか?

相続財産を遺産分割の日まで管理するのは誰か?

財産目録は誰が作るのか? 専門家は誰が選ぶのか?

遺産分割話し合いのたたき台は誰が作るのか?

遺産分割協議で出された意見に基づく案をまとめ税金シミュレーションは誰がするのか?

誰が遺産分割協議書の通りに財産の名義変更をするのか?

これらの事を一つ一つ丁寧にやっていかないと、ちょっとした行き違いで相続人が険悪なムードになってしまったりします。  
遺産分割協議は、多くの人が初めて経験するか、経験しても一度か二度なので、遺産分割を数多く経験している専門家の助言をもらいながら、遺産分割を進めていくことをお勧めします。  
相続手続きを始める前に、相続無料相談を利用して、遺産分割のポイントなどを知っておくことが大切です。

5 次の相続まで考える相続手続きのコストダウン

遺産分割の過程は財産の移転の過程です。
これを別の切り口からみると次のような課題が見えてきます。

① 今回の遺産分割で財産をもらった人が、相続税を支払えるのか?

② 今回の遺産分活で財産をもらった人が、財産を維持できるのか?

③ 今回の遺産分割で財産をもらった人が亡くなった場合に、次の相続で困ることは無いのか?

④ 今回の遺産分割で財産をもらった人が、認知症になってしまった場合に、財産の管理や相続で困ることは無いのか?

⑤ 次の世代までの相続コスト(相続税等二次相続)を考えた時に、もっと相続コストを抑える方法があるのではないか?

このような検討は、財産が承継されていく前提で考えた時に、遺産を今どう分配するか? という課題と同様に大切な課題になってきます。

財産が移転された後の事まで考えて、アドバイスをもらえるのは数多くの相続支援経験を持つ相続専門家です。
相続無料相談で、遺産分割の次に起こる問題まで考えてくれる専門家を選びたいものです。

6 まとめ

相続手続きは事前準備が肝心です。

1、 亡くなった方の相続手続きに必要と思われる元資料(権利書・保険証券・通帳等)を探して保管しておくこと。

2、 相続手続きが必要な元資料の手続き先(役所・金融機関等)に、相続手続きに必要な書類を予め電話等で調べ取り寄せておくこと。

3、 相続手続き先に使いまわせる書類は確認しておくこと

4、 遺産分割協議は、前段階からの行動を慎重に行うことで争いの防止につながる。

5、 遺産が分割された後の、次に起こる問題も考えて分割すること。

6、 相続無料相談を活用して、相続専門家の知恵を借りて進めること。

7、 相続手続きにかかるコストは依頼先で2倍以上違うのでよく調べること     

 私どもの相続無料相談をご活用ください。

 

 

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