事業承継に向けた準備の進め方
事業承継成功の為には、早期に準備着手し、専門家等支援機関の協力を得ながら、事業承継の実行、さらには自社の事業の10年後をも見据えて、着実に行動を重ねていく必要があります。
ここでは、事業承継に向けた準備の進め方について5つのステップに分けご説明します。
ステップ1:事業承継に向けた準備の必要性の認識
事業承継問題は家族内の課題としてとらえられがちで、気軽に外部に相談できないという経営者の方も少なくないため、やっと準備に着手した時点で既に手遅れになる事例が見受けられます。
一つの目安として60歳に達したころには準備にとりかかることが望ましく、専門機関や支援機関への相談と事業承継に向けた準備に着手すべきです。
ステップ2:経営状況・経営課題等の把握(見える化)
まず、経営状況や経営課題、経営資源を見える化し、現状を正確に把握することから始めます。
自社の強みと弱みを把握し、強みをいかに伸ばすか、弱みをいかに改善するのか方向性を見出すことが必要です。
ステップ3:事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)
事業承継においては、相続税対策に重点が置かれすぎるあまり中小企業の事業継続・発展にそぐわない手法が用いられる場合があります。
事業承継は経営者交代を機に飛躍的に事業を発展させる絶好の機会です。
次世代にバトンを渡すまで、事業の維持・発展に努め続けなければならず、現経営者は経営改善に努め、より良い状態で後継者に事業を引き継ぐ姿勢を持つことが望まれます。
後継者となるものが後を継ぎたくなるような経営状態まで引き上げておくことや、魅力作りが大切です。
磨き上げの対象は、業績改善や経費削減だけでなく、商品やブランドイメージ、優良な顧客、金融機関や株主との良好な関係、優秀な人材、知的財産権や営業上のノウハウ、法令遵守体制などを含み、いわゆる知的資産が「強み」となることも多く、効率的に進めるには専門家の助言を得ることも有益です。
ステップ4:事業承継計画の策定
①親族内・従業員承継の場合
事業承継計画とは、会社の10年後を見据え、いつ、どのように、何を、誰に承継するのかについて、具体的な計画を立てなければいけません。
ただ、資産や経営権の承継だけではなく、受け継がれてきた会社の理念や経営者の想いを伝承することの重要さも忘れてはいけません。
事業承継計画の策定は、作成自体を目標とするのではなく、策定プロセスにおいて現経営者と後継者、従業員等の関係者間で意識の共有化を図ることに重きを置くことが重要です。
②社外への引継ぎの場合
後継者不在等ため、第三者に事業引継ぎをする場合、買い手とのマッチングを行う必要があります。
この作業は、自力で行う事が困難である場合が多いため、専門的なノウハウを有するM&A仲介機関に相談することをお勧めします。
仲介機関の選定の際には、売却条件を正確に伝える必要があります。
「どのような形での承継を望むのか」について経営者自身の考えを明確にし、仲介機関を通して条件に合った相手先を見つけることが最善の方法です。
ステップ5:事業承継の実行
これまでのステップ1~4を踏まえて、把握された課題を解消しながら、事業承継計画やM&A手続き等に沿って資産の移転や経営権の移譲を実行します。
実行段階においては、状況の変化等を踏まえて随時計画を修正・見直す意識も必要です。
この段階では、税負担や法的な手続きが必要となる場合が多いため、専門家の協力を仰ぎながら実行することが望ましいと言えます。
ソレイユ相続相談室では、円滑な事業承継のための方法をそれぞれのお客様に最適なご提案させていただきます。
是非一度当相談室に相談いただければと思います。