contact Icon
0120-971-131 【電話受付】9:00~18:00

夫婦間贈与で要注意! 妻の預金で夫のローン返済には贈与税がかかるの?

2023/09/29
夫婦間贈与で要注意! 妻の預金で夫のローン返済には贈与税がかかるの?
基本的に、夫婦間であっても一定以上の贈与には贈与税が発生します。この記事では、夫名義のローンを妻名義の預金から返済した場合の贈与税について、ご説明します。贈与税の仕組みを理解し、望み通りの贈与を行えるようにしましょう。

基本的に、夫婦間であっても一定以上の贈与には贈与税が発生します。しかし、中には生活費の贈与や年間110万円以下の贈与など、贈与税のかからない贈与もあるため、どのような場合には贈与税がかかるのかが分かりにくくなっています。

今回は、夫名義のローンを妻名義の預金から返済した場合の贈与税について、ご説明します。贈与税の仕組みを理解し、望み通りの贈与を行えるようにしましょう。

 

■夫婦間で贈与税のかからない贈与

初めに、夫婦間で贈与をする際に贈与税が発生しない贈与についてご説明します。贈与税のかからない贈与は以下の2つです。

①年間110万円以下の贈与(暦年課税)

②生活費の贈与

①年間110万円以下の贈与(暦年課税)

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与に対して課税されます。しかし、全ての贈与に贈与税が課税されるわけではありません。贈与税には年間110万円という基礎控除が設けられており、この基礎控除を超えない範囲の贈与であれば、贈与税がかからない仕組みになっています。

※なお、「相続時精算課税」を利用してされた贈与に関しては、基礎控除の対象とはなりません。相続時精算課税は、60歳以上の父母や祖父母から20歳以上の子や孫へ贈与をする際に利用できる課税制度です。

つまり、1年間に100万円の贈与を受けた場合には、基礎控除の範囲内なので贈与税はゼロとなります。また、200万円の贈与を受けた場合には、200万円−基礎控除110万円=90万円に対して贈与税が課税されることになります。

②生活費の贈与

扶養義務者からの生活費・教育費の贈与は贈与税の課税対象とはなりません。扶養義務者とは、以下のような人のことをいいます。

①配偶者

②直系尊属及び兄弟姉妹

③家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった3親等内の親族

④3親等内の親族で生計を一にする人

つまり、夫や妻(配偶者)からの生活費の贈与には、贈与税がかからないのです。この場合の生活費とは、家具や家電の購入費用や食費、光熱費のほかに、子供の養育費などのことをいいます。

ただし、生活費に含まれる費用の線引きは曖昧で、判断が難しい場合もあります。贈与税が非課税になるか不安な場合は、贈与税に詳しい税理士に相談することをお勧めします。

 

 

■妻名義の預金で夫のローンを返済した場合は贈与になる

生活費の贈与や年間110万円までの贈与には贈与税がかからないことがわかりましたが、では妻名義の預金で夫名義のローンを返済する場合には贈与税がかかるのでしょうか。

普通、ローンの名義人以外の人がローンの返済を弁済したり、肩代わりしたりすると、返済を免れた側に贈与税が課税されます。これは、夫婦で生計を一にしている場合でも同様です。

例えば、Aさんは妻のBさんと一緒に住む自宅を購入するために、Aさん名義で2,000万円の住宅ローンを組みました。その後、Aさんはコツコツとローンを返済しています。しかし、妻のBさんは自分名義の預金に余裕が出てきたこともあり、そろそろ一括返済しようと考えています。

この場合に、妻Bさん名義の預金口座から夫名義のローンを返済すると、妻Bさんから夫Aさんへの贈与があったとみなされ、贈与税が課税されてしまうのです。

 

夫 Aさん

 

妻 Bさん

ローン返済→→

Aさん名義で2,000万円

住宅ローン

←←預金から一括返済

 

 

 

 

贈与税が課税

 

このような場合に、妻がこっそりと夫の預金口座にお金を移し、夫名義のローンを実質的に妻が払っている状態にするケースがあります。このような場合には、贈与税が発生するかは非常に怪しいところです。

 

贈与は、「財産をあげます。」「もらいます。」という双方の意思表示があって初めて成り立ちます。そのため、夫の預金口座にこっそりお金を入れると、受贈者(財産を受け取る側)が財産を受け取る意思表示をしないまま贈与を受けたことになるのです。このような贈与は贈与税の対象とならない可能性がありますが、後ほど税務署からまとめて贈与税が課税される可能性がありますので注意が必要です。

 

■贈与税を安く抑える「配偶者控除」

妻名義の預金で夫名義のローンを支払うと、贈与税が課税されてしまうことがわかりました。

では、贈与税をできるだけかけずに夫(妻)へ財産を贈与するためには、どのような方法を取るべきなのでしょうか。ここでは、贈与税の配偶者控除を利用して贈与税を安く抑える方法をご紹介します。

贈与税の配偶者控除とは

贈与税の配偶者控除とは、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産を購入したり建てたりする資金の贈与を行ったときに、贈与された金額から最大2,000万円を控除して贈与税を計算することができる制度です。

暦年課税の基礎控除110万円と合わせると、2,110万円までを非課税で贈与することができます。

贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、贈与税の申告の際に税務署所定の書類を提出する必要があります。

 

 

 

婚姻機関が20年以上の夫婦

 

←←←2,500万円を贈与

←←←←←←妻

→→→→→→→

居住用不動産を購入

 

 

最大2,000万円の贈与税

控除

 

 

 ■まとめ

 

今回は、妻名義の預金で夫名義のローンを返済した場合の贈与税についてご説明しました。生活費の贈与や年間110万円以下の贈与以外には、夫婦間であっても贈与税が課税されてしまいます。

夫婦間でローン返済費用を贈与する場合には、「贈与税の配偶者控除」が利用できるか検討しましょう。

ソレイユ相続相談室では、実務経験の豊富な税理士があなたに合った贈与の提案を行なっております。贈与にお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

Popup Image