所有の森林について知りたいとき
自分のや実家の森林がどこにあって、どんな木が植わっているか知りたいというご相談を頂きます。
実際のところ、森林の所有者や境界を確定させるのはとても難しいのが現状ですが、財産把握のためにも、
まず皆様がすべきことをご紹介出来ればと思います。
※下記は「長野県林務部 森林政策課 森林計画係」の取材に基づいて執筆しています。
●まずどこに出向けばいいの?
森林がどこにあってどんな木が植わっているか知りたい場合には、まずは各都道府県にある「林務部(※都道府県により名称が異なる場合があります)」に出向いて、森林簿を取得しましょう。
森林簿は元々、森林計画のために作成される資料ですが、森林の所有者が自分の森林がどこにあるのかわからなくなったり、相続時に調べたりするのに使用する事ができます。
ただし、資料そのものは法務局の謄本と違って、参考程度の資料になります。長野県の場合、図面は今から30年程前に作られた資料が基になっており、法務局の公図や地番と一致しない場合も少なくありません。
所有者も40年くらい前の資料に基づいており、20年くらい前から市長村の固定資産台帳が個人情報保護の観点から取得できなくなってきたので、メンテナンスはされていないのが現状です。
そのような事情から、林野庁では平成24年から森林の土地を取得した時の届け出制度をスタートさせました。この届出制度が機能するようになると、所有者の情報が整備されてくるようになります。
●資料は持ち帰れるの?
森林簿は所定の添付書類を持って請求すると、長野県の場合にはデーターで供給してくれます。電子記録媒体(CDR・メモリースティク等)が必要になります。
ただし、現状はメンテナンスされている情報ではないので、事前に問い合わせて所有者情報からデーターがとれるかは確認しておいた方がよいでしょう。情報があれば郵送による取得も可能です。
●確実に知りたい情報を取得できるの?
森林簿と森林計画図を取得すると、5000分の一の地図でおおよその所在地がわかります。しかし森林は境界等は打たれていないのが普通なので、どこからどこまでが自分の山林かの確認は難しく、例えば、隣の所有者に自分の山林を無償で差し上げたいと考えても、隣の所有者を特定できないこともあるのが現状です。
このように、森林については所有者や境界の特定が非常に難しいのが現状です。皆様が疑問に思われるのも当然でしょう。
しかし、まずは都道府県にある「林務部」に出向きましょう。問題は解決しなかったとしても、ある程度の情報は取得する事ができます。なにか次につながる情報を得られるかもしれません。
森林簿や森林計画図は各県によって取得方法提供方法が違うので、所有地の都道府県にお問い合わせください。