実家の相続を円滑に進める10の対策アイデア
実務で効果が高かった対策を厳選しました。
ご家庭の状況に合わせてお役立てください。
小規模宅地等の特例で実家の土地評価を80%減額
使える施策
小規模宅地等の特例(居住用宅地330㎡まで80%評価減)
適用場面
子どもが実家に住み続ける、または一定要件を満たす場合
具体的効果
5,000万円の実家土地が1,000万円評価となり、相続税を大幅削減
要件確認
同居または持ち家なしなど、適用要件の事前確認が重要
実家の生前贈与で段階的な名義変更
使える施策
相続時精算課税制度または暦年贈与の活用
適用場面
実家の名義を生前に子どもに移したい場合
具体的方法
年110万円の基礎控除内で持分を少しずつ贈与、または一括で2,500万円まで相続時精算課税
メリット
将来の価格上昇リスク回避、相続税の前倒し対策
実家を売却して老人ホーム費用に充当
使える施策
居住用財産の3,000万円特別控除
適用場面
親が老人ホームに入居し、空き家となった実家を売却する場合
節税効果
売却益3,000万円まで所得税・住民税が非課税
要件
居住の用に供さなくなった日から3年後の年末までの売却等
家族信託で実家を「共有」せずに管理
使える施策
家族信託による実家の管理・処分権限の一元化
適用場面
複数の子どもがいるが、実家の管理を一人に任せたい場合
対策効果
共有名義による意思決定の複雑化を回避
柔軟性
売却時期、売却価格、分配方法等を信託契約で事前決定可能
農地転用を見据えた生前贈与と納税猶予
使える施策
農地の生前贈与と納税猶予制度の活用(農業相続人がいる場合)
適用場面
農地が宅地転用可能で将来の評価額上昇が見込まれる場合
対策効果
現在の安い農地評価での贈与と納税猶予で負担軽減
長期視点
都市化の進展で大幅な評価益が期待できるケース
空き家の3,000万円特別控除をフル活用
使える施策
被相続人居住用家屋等確認書による譲渡所得特別控除
適用場面
相続した実家が空き家となり、耐震不足等で売却する場合
節税効果
譲渡所得から3,000万円控除、所得税・住民税の大幅軽減
要件
昭和56年以前建築、一人住まい、耐震リフォームまたは除却後売却等
遺言書で実家承継者を明確化
使える施策
公正証書遺言による実家の承継者指定
適用場面
複数の子どもの中で実家を誰が承継するか明確にしたい場合
対策効果
遺産分割協議不要で実家の承継者を確定
配慮事項
他の相続人への代償金や別財産による配慮も明記
二世帯住宅化で小規模宅地特例を活用
使える施策
小規模宅地等の特例の二世帯住宅での適用
適用場面
実家をリフォームして親世帯と子世帯が住む場合
特例効果
330㎡まで80%評価減の適用可能
注意点
構造上・生活上の独立性と税法上の要件の両立が重要
維持費用対策と家族信託の組み合わせ
使える施策
家族信託と維持管理費用の事前積立
適用場面
実家が古く、維持費用がかさむが思い出の家を保持したい場合
対策効果
管理責任者を明確化し、維持費用の負担方法も事前決定
長期視点
将来の大規模修繕や建替え資金の計画的準備
事業用併用住宅での特例を最大限活用
使える施策
小規模宅地等の特例の事業用宅地との併用適用
適用場面
実家で小売店や事務所を営んでいた場合の相続
具体的効果
居住用330㎡(80%減)+ 事業用400㎡(80%減)の併用適用可能
要件確認
事業継続要件と居住継続要件の両方をクリアする必要