相続によって山林を取得したものの、管理方法がわからずお困りの方も多いのではないでしょうか。森林は放置しておくと災害の原因にもなり得るため、適切な管理が必要です。そんなときは、地域の森林組合へ相談することが第一歩となります。本記事では、森林組合とは何か、相談する際のポイントについてご紹介します。
森林組合とは?
森林組合とは、林業を営む人や森林の所有者が加入できる協同組合です。農業協同組合(JA)の林業版と考えると分かりやすいでしょう。森林組合は、森林の管理や整備、林業経営の支援を目的として活動しています。
各市町村や都道府県には森林組合の窓口が設けられており、所有者が自分の山林について相談できる体制が整っています。各都道府県には森林組合連合会が、さらに全国組織として全国森林組合連合会(東京都所在)もあります。
なお、森林組合は原則として森林所有者や林業従事者が加入するものですが、加入できない場合もあります。例えば、所有する森林が森林組合の管轄地域外にある場合や、非常に小規模な面積(数平方メートル程度)の場合は、組合員として加入できないケースがあります。
ただし、組合員でなくても相談は受け付けていることが多く、管理や整備についてのアドバイスを得ることは可能です。また、一部の森林組合では「賛助会員」という形で、組合員の資格を満たさない方も関わることができる制度を設けているところもあります。
森林組合に相談するメリット
森林組合に相談することで、以下のようなメリットがあります。
- 所有する山林の現状を確認できる
- 管理・整備に関するアドバイスが受けられる
たとえば、令和6年度の森林経営管理制度では、一定の条件を満たす森林に対して、国の補助金を活用した整備が可能です。このような制度は頻繁に改正されるため、最新情報を把握するには専門機関である森林組合に確認するのが確実です。
相談の際に準備すべき情報
森林組合に相談する際は、以下の情報を準備しておくとスムーズです。
- 相続した山林の所在地
- 登記簿の内容(地番や面積など)
- 山林の現況(放置されているか、管理者がいるか など)
所有している山林の正確な位置や面積は、都道府県の林務課や法務局で確認することができます。また、山林の位置によっては、隣接地との境界や所有者情報の確認も必要となる場合があります。
まとめ
相続した山林を適切に管理するためには、地域の森林組合への相談が重要です。森林組合は、森林所有者の力強い味方として、管理や整備に関する支援を行っています。放置によるトラブルを防ぐためにも、できるだけ早めに相談しておくと安心です。管理が難しいと感じた場合でも、森林組合のアドバイスによって活用の道が見つかるかもしれません。