金融機関での相続手続き

相続が発生すると、被相続人の銀行口座は凍結され、相続人による名義変更や解約手続きが必要になります。本記事では、手続きの基本的な流れと必要書類について、最新の実務に基づいて詳しく解説します。

銀行での相続手続きの流れ

金融機関での相続に関する手続きは、次の3つのステップに大きく分かれます。

1. 相続発生の連絡

銀行口座のある金融機関に、被相続人が亡くなったことを電話または窓口で伝えます。その時に、通帳やキャッシュカードがあるとスムーズです。この連絡を受けて、金融機関は当該口座を凍結し、すべての入出金・自動引き落としが停止されます。公共料金などの口座振替がある場合は、振替口座の変更が必要です。

 

2. 残高証明書の請求(必要な場合)

相続税の申告や、相続人同士での財産確認のために「残高証明書」が必要になることがあります。請求は金融機関の窓口で行い、「被相続人の死亡日」を基準日として指定することが重要です。必要書類には、戸籍謄本、本人確認書類、手数料などが含まれます。

 

3. 相続手続依頼書の入手と提出書類の案内

各金融機関の所定の「相続手続依頼書」を受け取ります。手続き方法(郵送・窓口)は銀行により異なりますが、この段階で必要な書類一覧を確認しておきましょう。

 

手続きに必要な主な書類

遺産分割中に相続人が亡くなると、その人の相続人も遺産分割協議に参加することになるため、普段はあまり交流のない人と、話し合いをしなければならない可能性があります。遠方に住んでいるなどで交流のない相続人にさらに相続が開始してしまった場合は、権利承継人が増え、遺産分割協議の成立や印鑑登録証明書の取得依頼が難しくなる場合もあります。

遺言書がない場合(遺産分割協議による手続き)

  • 被相続人の、出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 相続人全員の署名・捺印(実印)のある相続届及び遺産分割協議書

「相続届」は各金融機関が独自に定めた書式で、その金融機関の預金等のみを対象とした手続き書類です。金融機関ごとに提出が必要で、他の機関では使用できません。一方で「遺産分割協議書」は被相続人の全財産の分割方法を記載した包括的な文書で、不動産登記や相続税申告など全ての相続手続きに使用できます。

 

公正証書遺言がある場合(遺言執行者が定められているケース)

  • 公正証書遺言書
  • 被相続人の除籍謄本
  • 遺言執行者の印鑑証明書
  • 払戻依頼書(遺言執行者の実印を押印)

※書類の詳細は金融機関により異なるため、事前に確認してください。

手続きの完了と所要時間

書類が揃い、内容に問題がなければ、金融機関で名義変更や解約の処理が進められます。処理には通常数日から数週間かかることがあり、手続きは口座開設支店で行うのが原則ですが、他支店でも対応可能なケースがあります。

 

まとめ

銀行口座の相続手続きは、相続発生後の重要なステップの一つです。書類の準備や手続きの進め方を正確に理解しておくことで、相続人間のトラブルを防ぐことができます。複雑なケースや書類の取得に不安がある場合は、相続に精通した専門家に相談することをおすすめします。相続に関するお悩みがある方は、当社の無料相続相談をご活用ください。

無料相談のご予約・お問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

電話アイコン

0120-971-131

営業時間/平日9:00~20:00まで
※電話受付は17:30まで