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遺贈の活用と注意点

作成日2021年9月8日


 

相続人以外にも「遺産」を残せる「遺贈」とは?

贈ると言われて、そのまま受け取っていいものなのでしょうか?

 

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 (目次)

1、遺贈、死因贈与、家族信託

2、遺贈の二つの形

3、遺贈と遺言の注意点

4、課税の注意点

5、まとめ

 

 

 遺贈、死因贈与、家族信託

 

自分の死後に自分の残す遺産の行く末を決める方法には大きく分けて二つあります。

 

一つは、相続人が集まって話し合い、相続人の意思によって分割する方法です。

遺産分割協議といわれる方法で相続人以外は参加できません。

 

もう一つは、ご自分の意思で、自分の死後に法律の力を借りて、

自分の遺志通りに希望する相手に遺産を分配する方法です。

この法律の力で死後に遺産を分割する方法の中に、遺贈、死因贈与、家族信託があります。

 


 

遺贈は、遺言によって特定の人に財産を遺す方法で、相続人以外の人にも法人にも遺すことができます。

 


 

死因贈与は、自分が死んだことによって効力がある贈与契約で遺言と同じように相続人以外の人にも法人にも遺すことができます。

 

遺言と死因贈与の違いは、遺言は遺産をもらう人の同意を得る必要なく自分一人で書けますが、死因贈与は贈与契約の一種なので、財産をあげる本人の意思表示だけでなく、もらう人(受贈者)の同意を得る必要があります。

 


 

家族信託は、信託法という法律を使い、自分が生きているうちに自分の財産を家族の誰かに預けて名義変更して信託目的に沿って管理してもらいます。

 

財産を預けた本人が亡くなった後に、預けた財産を誰のものにするかを契約で決められるので遺言と同じ効果があります。この家族信託も預ける人委託者と預かる人受託者の契約になります。

 


 

今回は、遺言で行う遺贈についてお伝えしたいと思います。

 

 

 遺贈の二つの形遺贈、死因贈与、家族信託

 

遺贈には、「包括遺贈」「特定遺贈」というやり方があります。

 


 

包括遺贈は、例えば「全財産を遺贈する」「財産の半分を遺贈する」というように、

財産の全部または割合を指定して一部を遺贈するものです。

 

割合で一部を遺贈する場合には、具体的に預金とか不動産とかと具体的財産が指定されていないため、包括受遺者は相続人に準ずるため、相続発生後に他の法定相続人と遺産分割協議を行い、何を受け取るのかを話し合って決めることになります。

 

財産をもらう受遺者は、法定相続人と同一の権利義務を持つことになるので、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(債務)も引き継ぐことになるので注意が必要です。

 

遺贈を放棄する場合は、受遺者となることを知ったときから3ヵ月以内に、家庭裁判所に正式に放棄の手続きをしなければなりません。

 


 

特定遺贈は、例えば「A銀行の預金を遺贈する」「地番を特定して土地を遺贈する」というように、財産を具体的に指定して遺贈するものです。

 

包括遺贈のように、受遺者が法定相続人と同一の権利義務を持つわけではないため、債務を引き継ぐことはなく、遺産分割協議に参加する必要もありません。

 

また、特定遺贈は直接、遺贈義務者や遺言執行者に対して申し出ることで放棄が可能です。

 

家庭裁判所に正式に放棄の申し出をする必要はありません。

 


 

 

 遺贈と遺言の注意点

 

遺贈は遺言によって行うことになるので、民法に定める遺言の書き方に従って書く必要があります。

 

遺言を書く方が、よく迷われるのが「遺贈する」と「相続させる」の言葉の違いです。

 

「相続させる」は法定相続人にしか使わない言葉使いです。

「遺贈する」は法定相続人にも法定相続人以外にも使えますが、

法定相続人の場合には「相続させる」を使う方が良いです。

 

例えば、不動産を法定相続人に

「相続させる」と書いてあれば、その不動産をもらう法定相続人が一人で相続手続きを行うことができますが、

「遺贈する」と書いてあると、他の法定相続人と共同で、相続手続きをしなければならなくなります。手間のかかる手続きとなってしまいます。

 

遺言は、自筆証書遺言、公正証書遺言のどちらでも可能ですが、問題が生じにくいのは公正証書遺言です。

 

202010日から、自筆証書遺言を法務局で保管する制度が始まり、これを利用すると相続発生後、家庭裁判所の検認手続きが不要になりました。

 

しかし実際には、遺言書の基本的な記載内容の確認は、法務局の担当官がしてくれますが、財産の記載や遺産分割の内容の詳細については、遺言者自身で正確に記載する必要がある点では、以前の自筆証書遺言と変わりありません。

 

 

 課税の注意点

 

遺贈は原則として相続税の対象となります。

 

法定相続人以外の方に遺贈が行われた場合にも、遺贈者が取得した財産も含めて、

亡くなった人のすべての財産に対して相続税が計算されることになります。

 

相続税は、その相続で財産をもらった人の財産ごとに相続税を計算するのではなく、亡くなった人のすべての財産に対してかかる相続税を計算して、その相続した財産の割合で按分し、各自の相続税を計算します。

 

従って、遺贈で不動産のみをもらった方がいた場合に、全体で計算した相続税がもらった不動産の比率で按分してかかってきます。

 

全体の財産が大きくて相続税の税率が高くなる場合には、支払う相続税も多くなります。

 

不動産だけ遺贈された場合にはその不動産の相続税を支払うことが大変になってしまう場合もあるのです。

 

また、兄弟姉妹や相続人以外の方が相続や遺贈により財産をもらうと相続税が20%の割増計算になりますので注意が必要です。

 

相続手続きでも、遺贈の場合には不動産取得税や登録免許税が高くなります。

 

不動産を法定相続人に遺贈した場合、

受遺者には不動産取得税がかからず、登記の際の登録免許税は0.4%となります。

一方、法定相続人以外への遺贈については、

登録免許税は包括遺贈、特定遺贈ともに2.0%と5倍になるため注意が必要です。

不動産取得税は特定遺贈には課税され、包括遺贈には課税されません。

遺贈により相続税を安くすることも可能です。

 

遺言によって国や地方公共団体、公益を目的とする事業を行う特定の法人や認定NPO法人に一定の条件の下、遺贈寄付した場合には相続税が課税されません。

 

また、遺贈により財産をもらった人が特定の公益法人に寄付し、一定要件を満たしている場合は、相続税の対象としない特例もあります。

 

 

 まとめ

 

遺贈は遺言により自分の希望で財産を承継できる方法です。

 

しかし、最近、

遺贈でもらった不動産の税金が支払えない……。

処分できない不動産なので放棄したい……。

寄付はありがたいが不動産では受け取れない……。

等のトラブルも起きています。

 

また、遺留分として相続人に認められた権利を侵害すると、遺留分侵害請求を受けることもあり相続争いになる可能性もあります。

 

遺言を考えている方は、財産をもらう側の事情や税金の対策も検討してから遺言を書かれることをお勧めします。

遺言のご相談は、相続専門税理士にご相談することをお勧めします。

 

 

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