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遺言執行者の解任方法

 

公開日2021年8月4日


「遺言執行者」とは、遺言の内容のとおりに、相続財産を正確に分割・処理を行う人のことです。

 

相続手続きには、口座や不動産の名義変更、解約手続きなどがあり、財産が多ければ多いほど手続きも複雑になってきます。このような手続きを、相続人を代表して遺言執行者が行うのです。

 

遺言執行者は「遺言で指定された者」または「家庭裁判所により選任された者」がなりますが、遺言作成を手伝った第三者の相続の専門家が遺言執行者となることが多いです。

 

しかし、いざ遺言執行者になってから任務を怠ったり、何らかの理由があって任務ができなくなったりすると、相続人は手続きを進められず困ってしまいます。このような場合は「遺言執行者の解任手続き」を行って、遺言執行者を辞めさせることができるのです。

 

では、どのようにして遺言執行者を解任するのか、についてご説明していきます。


 

遺言執行者を解任できるケース

 

「遺言が出てきたけど遺言執行者が何もしてくれない」「遺言執行者に指定された人が病気になってしまった」などの理由から、遺言執行者を辞めさせたいという問題が出てきたときは、どうすれば良いのでしょうか?

 

民法1019条第1項では、以下のように決められています。

【民法1019条第1項】

遺言執行者がその任務を怠ったとき、その他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。

 

つまり、遺言執行者が①任務を怠ったとき、②正当な事由があるときのいずれかのケースでは、遺言執行者を解任させることができるということです。

 

①遺言執行者が任務を怠ったとき

遺言執行者に就任した人は、すぐに相続手続きや財産管理などの任務を始めなければなりません。また、任務を開始したら、遺言の内容を他の相続人に知らせるとともに、亡くなった人がどのような財産を持っていたかについてまとめた財産目録を作る必要があります。

 

遺言執行者にはやるべきことが沢山あるため、相続人に代わって大変な思いをすることになります。ですから、遺言執行者になったはいいものの、任務に取りかかるのが億劫になる方も多いでしょう。

 

このように、就任後すぐに任務に取りかからなかったり、必要な手続きを進めなかったりした場合は、遺言執行者を解任させることができます。

 

②その他正当な事由があるとき

「正当な事由」とは、例えば遺言執行者が重い病気になり、任務を遂行することができなくなってしまった場合や、転勤などの事情により遠くへ引っ越してしまった場合などが考えられます。

 

ただし、「個人的に遺言執行者のことが気に入らない」「報酬を支払いたくない」という主張は正当な事由にはなりません。

 

正当な事由の基準は非常に曖昧ですので、あらかじめ申立先の家庭裁判所に確認するか、相続に詳しい専門家にご相談ください。

 

遺言執行者の解任手続き

 

①解任の申立先

遺言執行者を解任したい場合は、亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「遺言執行者解任の審判」を申し立てます。

 

申立てることができる人は、遺言執行者が任務をしないことで不利益があるような「利害関係人」のみです。具体的には、亡くなった人の相続人や受遺者などがこれに当てはまります。

 

遺言執行者の審判が申し立てられると、家庭裁判所は遺言執行者本人の意見や様々な事情から、その遺言執行者を解任するべきかどうかを判断していきます。家庭裁判所が解任の判断をした場合、そこで初めて遺言執行者は任務を終了することになります。

 

②解任手続きが終わったら

晴れて遺言執行者の解任がされたら、①相続人同士で手続きを進めていくか、②また新たな遺言執行者を決めるかを決めます。

 

ただし、遺言に相続人の廃除または認知について書かれている場合は、必ず遺言執行者がいなければなりません。そのような場合は、必然的に②を選ぶことになりますね。

 

新たに遺言執行者を決める場合は、家庭裁判所に「遺言執行者の選任の審判」を申し立てましょう。申立先は、解任の時と同じく、亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

 

遺言執行者は相続人を代表して手続きを行わなければならず、非常に大変な任務となります。相続人の中から遺言執行者を指定すると、後々トラブルになることもありますので、あらかじめ相続に詳しい専門家に遺言執行者を依頼しておくことをお勧めします。

 

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