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個人の土地を会社へ売却する場合に知っておくべきポイントとは?

    更新日/2022年4月30日

    個人の土地を会社へ売却する場合に知っておくポイントの記事入りイメージ画像腕を組むスーツの人の前にフィギュアのビルが置いてある

     

    会社を経営されている方の中には、個人所有の土地を経営している会社へ貸している方がおられます。

    このような個人の土地の貸付はよくある方法の1つで、土地は個人名義、建物は法人名義となっており節税対策の一環として行われています。

    ではどうして個人から法人へと貸すことが節税対策になるのでしょうか。

    そこで、この記事では個人の土地を会社へ貸すメリットや、売却を行う際のポイントを中心に解説します。

     

    個人の土地を法人に貸すメリットとは

    会社経営をされている方の中に、ご自身の経営する会社へご自身名義の土地を貸している方がいます。

    例として、土地は社長個人の名義でその上に建てているテナントは法人名義になっており、会社から個人へと地代を支払う形にしていることがあります。この方法におけるメリットは次の通りです。

     

    会社側から見た2つのメリット

    会社側から見ると、社長から土地を借りる2つのメリットがあります。

     

    1.利益の流出を防ぐことができる

    会社を経営していくにあたり、事業所や店舗が必要な場合には土地や建物を借りたり購入したりする必要があります。この場合、会社側から見ると社長個人の土地に建物を建てれば、第三者へ賃貸料を支払い続ける必要がなくなります。一貫して同族内で利益を守ることができます。

     

    2.賃貸契約のトラブルを防ぐ

    第三者の土地や建物を借りて経営をしていく場合、第三者との人間関係も経営のコストに組み入れて考える必要があります。

    例えばよくある問題をご紹介すると、長年安く借りていた土地の所有者が亡くなられ、相続で別の家族が土地の所有者になった場合に賃料の見直しや土地の購入を求められる、契約の更新を認めてくれないなどのトラブルです。予期せぬ方針転換で会社経営に大きなダメージを受ける可能性があります。また、撤去を求められる場合には原状回復として建物を壊し、更地の状態へと戻す様に迫られる可能性もあります。

    しかし、土地が社長自身のものであればこうしたトラブルは起きません。賃貸契約に付随する面倒なトラブルを未然に回避することができます。建物をリフォームする、建物の用途の変更工事をする場合もご自身の土地なので許可を求める必要もありません。

     

    個人から見た2つのメリット

    では、土地を貸す個人側にはどんなメリットがあるでしょうか。

     

    1.相続税対策になる

    社長個人の土地を法人に貸す際には、家族にとって相続税対策となるメリットがあります。建物が立っている以上土地の評価を下げる効果があるためです。自ら経営している建物なので、別のトラブルで悩まされる心配もありません。

     

    2.借地権認定課税を回避できる

    個人の土地の上に会社の建物を建てている場合、本来は「借地権認定課税」の問題に向き合う必要があります。自分が経営する会社に土地を貸す場合、賃貸料を受け取らないもしくは相当に安い地代で貸すことがあります。借地権に関する権利金も同族間でのやりとりなので請求しないことが一般的でしょう。

    しかし第三者に貸す場合は本来課税が発生するため「権利金」を支払わなければ、「借地権認定課税」が行われます。もう少し噛み砕いて言うと、借地権は相当に「強い」権利であり、権利金が支払われるべきものです。一度他者から土地を借りて建物を建てたら、相当の理由がない限りそこに建物は残り続けることができます。その分、借地権にはその強さに応じた権利金が付随するのです。

    権利金は土地の価額によってはすさまじい額に上ることがあり、第三者から個人が得てしまった場合には課税額も大きくなります。

    しかし権利金を支払わないとなると、認定課税の負担を強いられます。

     

    そこで、回避策があります。

    それは「土地の無償返還に関する届出書」です。

    この届出書を提出することで個人から法人への土地の賃貸でも課税がなされることはありません。権利金を得て課税されるおそれもなくなります。加えて、それ相応の地代を法人から個人へ支払っていくことで地代の認定課税も回避することが可能です。つまり土地を貸している社長側は定期的な不動産所得を得ることになります。

     

    ※「土地の無償返還に関する届出書」とは

    借地権に発生する認定課税を回避するための簡単な方法の1つで、将来その土地を無償で返還する旨を納税地の税務署へ届ける方法です。この届出書を提出していると認定課税が行われないことになっています。

    この方法は個人間では用いることはできません。

    参考記事 国税庁「[手続名]土地の無償返還に関する届出」は→コチラ

     

    個人から法人への土地の貸付を見直す際のポイント

    社長から会社へ土地を長年貸していても、社長の高齢化や次期社長の選定の段階などで契約状況を見直すことがあります。この場合、どんな点に注意しながら見直すと良いでしょうか。大切なポイントは2つです。

     

    今こそ相続税を再シミュレーションしよう

    個人の土地を会社に貸している場合、相続税対策の一環として行われることがよくあります。

    しかし、社長が現在所有している株やその他の財産状況を現時点でもう1度シミュレーションをすると、高額の相続税が発生する可能性があります。

    建物を建てた時と比べ、株や土地の価値が大きく変動している可能性があるからです。次世代への交代を含めて見直しを進めるのであれば、まずご自身の相続税対策をもう1度見直しましょう。

    この機会にその他の資産に関しても見直してみると良いかもしれません。なお、土地の相続税評価は借地権割合を控除することはできませんが、個人と法人の間での賃貸借は20%引いて評価をすることになります。

     

    会社が購入する場合は購入金額に注意を

    経営している法人が個人から土地を買い取る場合には、購入金額を慎重に決める必要があります。

    土地を時価未満で購入したとしても時価で購入したとみなしてしまうからです。土地の時価が資産計上され、時価と実際に支払った対価との差額が、「受贈益」になります。

    つまり、法人税の計算上益金算入されて課税されるのです。また、個人側には時価をもとにした譲渡所得が加算されます。

    このような複雑な課税を念頭に置きながら譲渡を進めていく必要があるので、早めに税理士に相談を重ねながら進めるようにしましょう。

     

    まとめ

    この記事では個人の土地を会社へ売却する場合に知っておくべきポイントとテーマに詳しく解説しました。

    事業継承を行う際にはさまざまな問題と向き合うことになりますが、個人の相続面も含めて11つクリアにしていくことがおすすめです。

    急な事業継承や相続で家族が慌てないためにも、早めに円満な事業継承を進めていきましょう。

     

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