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相続財産、どうやって分ける?代償分割をする場合の計算方法

相続人が複数人いる場合の相続では、被相続人(亡くなった人)の財産を各相続人で分け合うことになります。
相続財産が現金や預貯金などのように分割しやすい財産であれば、簡単に遺産分割をすることができるのですが、土地や建物のように分割が難しい財産がある場合には、その分割方法に頭を悩ませることになります。
実は、相続財産の分け方にはいくつかの方法があり、その分け方を知っておくことで、円滑に遺産分割を進めることができます。

今回は、遺産分割方法の1つである「代償分割」について、詳しく解説します。

    更新日/2022年2月21日

     

    相続財産を分ける3つの方法

     

    「主な相続財産が不動産しかない。」

    「1人が事業を引き継ぐと、他の相続人に不利な遺産分割になってしまう。」

    このように、遺産分割ではさまざまな問題が発生します。特に、自宅以外に財産の少ない家庭では、財産を巡って相続人間で争いになってしまうことも珍しくないのです。

    そこで、相続財産の3種類の分け方をご紹介します。財産構成や相続分に合った分け方を選択することで、相続争いを防ぐことができる可能性があります。

    相続財産の分割方法は、「現物分割」「換価分割」「代償分割」の3つです。

    以下では、1つずつ詳しくご紹介します。

     

    「現物分割」とは

    代償分割の家族関係イラスト1

    現物分割とは、預金や不動産などの相続財産をそのままの形で分割する方法です。

    例えば、2,000万円の預金は長男が、評価額2,000万円の自宅は次男が相続する、といった方法が現物分割に該当します。

    現物分割は、3つの分割方法の中で最も多く利用されている方法です。

     

    「換価分割」とは

    代償分割家族関係イラスト2

    換価分割とは、不動産などの相続財産を売却して得たお金を相続人同士で分割する方法です。

    例えば、被相続人の不動産を売却して得た2,000万円を、長男と次男で1,000万円ずつ相続する、といった方法が換価分割に該当します。

    相続人全員が遠方に住んでいる場合や、相続した自宅に誰も住む予定がない場合などに利用されています。

     

    「代償分割」とは

    代償分割家族関係イラスト3代償分割とは、一部の相続人が財産を相続する代わりに、財産を相続した相続人から他の相続人へ代償金を支払う方法です。

    例えば、主な相続財産が評価額2,000万円の不動産のみの場合で、長男が不動産を相続する代わりに、長男から次男に対して代償金1,000万円を支払うことで公平な遺産分割にすることができます。

     

     

     

    代償分割をする場合の遺産取得額

    代償分割を利用して相続財産を分け合う場合、相続人それぞれの遺産取得額はどのように計算されるのでしょうか。

    【例】

    例えば、2,000万円の相続財産を子2人で分ける場合のそれぞれの法定相続分は1,000万円ずつですので、具体的な数字を入れて計算すると以下のようになります。

      長男の遺産取得額:相続で取得した財産価格−次男に交付すべき財産価格

      次男の遺産取得額:相続で取得した財産価格+長男から交付される財産価格

    2,000万円の相続財産を子2人で分ける場合のそれぞれの法定相続分は1,000万円ずつですので、具体的な数字を入れて計算すると以下のようになります。

      長男の遺産取得額:2,000万円(土地)−1,000万円(次男へ交付する代償金)

      =1,000万円

      次男の遺産取得額:0万円+1,000万円(長男から交付される代償金)=1,000万円

    代償分割家族関係イラスト0221

    つまり、長男は土地を単独で相続する代わりに、次男へ1,000万円の代償金を渡すことで、公平な遺産分割を行うことができるのです。

    今回の例では、土地の評価額を基準にして代償金を計算しましたが、代償金の計算方法には評価額以外を基準にするケースもあります。次の章では、支払う代償金の金額をどのように計算するのかをご説明します。

     

    代償分割で支払う代償金の計算方法

    土地や建物のような財産は、簡単に金額で考えることができません。その不動産があるエリアや建物の築年数、土地の形などにより、評価額が大きく異なる場合や、実際に売ってみると予想よりも低くなる場合もあります。

    では、代償分割をする上では、相続財産のどの価格を基準に代償金の計算をすればよいのでしょうか?具体例を挙げてご紹介します。

    時価を基準に代償金を決める

    一般的に、相続税を計算する上で必要になる「相続税評価額」と、実際の取引金額(いわゆる時価)には差があります。相続税評価額2,000万円の土地であっても、実際に売ってみると5,000万円の値段がつく場合だってあるのです。

    【例】

    例えば、長男が相続税評価額2,000万円の土地を相続した場合、その土地の実際の取引価格は5,000万円だと知った次男が、長男に対して時価の二分の一(法定相続分)の2,500万円の代償金を請求する可能性もあります。長男には次男に対して2,500万円を支払うほどの資力はないため、土地を半分売らなければ代償金を用意することができません。しかし、長男はこの土地の上に自宅を建てようと思っているため、土地を半分売ってしまうと自宅を建てることができなくなってしまいます。

    そこで、長男は次男と話し合い、土地の1/5までであれば売却しても問題がないということで、1,000万円(時価5,000万円の土地の5分の1)を次男に支払うことで、双方納得しました。

    時価を基準に考えると、それぞれの取得金額は以下のとおりです。

    代償分割家族関係イラスト04

      長男:時価5,000万円の土地−次男へ交付する代償金1,000万円=4,000万円

      次男:0万円+長男から交付される代償金1,000万円=1,000万円

    相続税を計算する上では、相続財産は評価額を基準に考えます。したがって、この場合の相続税は以下の金額で計算します。

      長男:相続税評価額2,000万円−1,000万円×相続税評価額2,000万円/時価5,000万円

         =1,600万円

      次男:0万円+1,000万円×相続税評価額2,000万円/時価5,000万円=400万円

    結果として、相続税計算の上では、土地の相続税評価額2,000万円のうち、4/5である1,600万円を長男が相続し、1/5である400万円を次男が相続することになりました。

     

    上記以外の方法で代償金を決める

    上記のように時価を基準とするのではなく、相続税評価額を基準に代償金を決める方法も認められます。

    【例】

    相続税評価額2,000万円の土地を長男が相続し、次男が長男へ代償金を請求する場合、それぞれの遺産取得額は以下のとおりになります。

    代償分割家族関係イラスト05

      長男:相続税評価額2,000万円−次男へ交付する代償金1,000万円=1,000万円

      次男:0万円+長男から交付される代償金1,000万円=1,000万円

    このように、相続税評価額2,000万円の土地を兄弟で平等に分けることができました。

    代償金を決める際には、①時価を基準に決める場合と、②それ以外を基準に決める場合がありますが、それぞれ相続税の計算上、計算方法が異なりますので注意しましょう。

     

    まとめ

    今回は、代償分割で財産を分けたときの代償金の計算方法をご説明しました。分けにくい財産を相続する場合の分割方法を知っておくことで、相続人間の争いを未然に防ぐことができます。

     

    ソレイユ相続相談室では、実務経験の豊富な税理士があなたに合った相続手続きや相続税申告を行なっております。相続でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

     

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