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相続税の計算における胎児の取扱い

    相続税の計算における胎児の取扱い

    被相続人(亡くなった人をいいます。)の子供には、被相続人の財産を相続する権利があります。

    しかし、被相続人の死亡の時において、その配偶者が妊娠している場合など、まだ生まれていない胎児であった場合どのようになるのでしょうか。

     

    相続に関する胎児の権利能力

    人には生まれながらに様々な権利能力があるとされています。

    権利能力とは「民法などの法律に基づく権利を得たり、義務を負うことができる資格」のことをいいます。

    この権利能力は出生と同時に取得し、死亡と同時に失うこととされています。

     

    胎児はまだ出生していないわけですから、権利能力は有していません。

    ただし、次に掲げる3つの法律行為については「既に生まれたものとみなす」として例外的に胎児の権利能力を認めています。

     

    ① 不法行為に基づく損害賠償請求権(民法第721条)

    例えば、父が交通事故で死亡した場合には胎児はその損害賠償を請求する権利があります。

     

    ② 相続(民法第886条)

    父が死亡した場合、その父の財産を相続する権利があります。

     

    ③ 遺贈(民法第965条)

    遺言により胎児に財産を贈ることができます。

     

    つまり、胎児は出生前であっても相続・遺贈の権利能力があるのです。

    従って、胎児は相続税の計算や遺産分割協議に含まれなければなりません。

     

    ただし、死産だった場合はその権利が最初からなかったと解釈されます。

     

    相続税の計算上、胎児が関係するもの

    ① 法定相続人の数

    胎児も相続人の1人ですので、法定相続人の数が関係する「生命保険金・死亡退職金の非課税金額(1人当たり500万円)」、「相続税の基礎控除(1人当たり600万円)」、「相続税の総額の計算(相続人の数と相続分に応じて税率が変動)」などに大きく影響します。

     

    ② 未成年者控除

    胎児は0歳と同じ扱いになり、20歳未満であることから「未成年者控除(控除額200万円)」の対象となります。

     

    ③ 遺産分割

    胎児は「無事に生まれることができれば」という条件付きですが、相続人であるわけですから遺産分割協議にも参加しなければなりません。

    相続人全員の同意がない分割協議は無効になってしまうからです。

     

     

    通常、未成年者が法律行為(遺産分割協議も法律行為です。)をする場合には、親権者である親が代理人となって未成年者に代わって手続きをする場合が多いのですが、相続の場合はそういうわけにはいきません。

     

    遺産分割協議は親の取り分が増えれば子の取り分が減るという利益が対立する関係になってしまうので、親が代理人となることはできないのです。

    この場合、利害関係のない第3者を特別代理人として選任し協議を進めることになります。

    しかし、残念なことですが、胎児が無事に生まれる保証はなく、もしも死産であった場合せっかく胎児の特別代理人まで選定して行った遺産分割協議は無効になってしまいます。

    胎児の出生を待ってから遺産分割協議を行う方が無難と言えます。

     

     

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