公開日 2021年6月22日

皆さんは、相続税の申告に期限があることをご存知でしょうか?実は、亡くなった方の財産が一定額を超え相続税がかかることが分かったら「相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」に相続税申告をする必要があるのです。

この期限に遅れてしまうと、加算税・延滞税などの税金がかかってしまうだけでなく、相続税を減らす特例を使うことができなくなってしまうのです。

あなたやあなたのご家族が申告期限に遅れて無駄な税金を払わなくて済むように、この記事で相続税申告の期限を確認しておきましょう。

相続税の申告はいつまでにするのか?

相続税の申告期限は「相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」です。

「相続の開始を知った日」とは、被相続人(亡くなった人)の死亡を知った日です。

例えば、父親が2020年2月1日に亡くなり、同居の兄はその日に死亡を知ったとすると、相続税の申告期限は10ヶ月後の12月1日となるということです。

しかし、すべての相続人が被相続人の死亡を当日に知ることができるとは限りません。他の相続人と連絡を取り合っていない場合や遠くに住んでいる場合は、被相続人が亡くなったことを知るのが遅くなってしまうことがあります。

このように、戸籍に記された日より後に死亡を知った場合には、その知った日を起点に申告期限が決められます。

例えば、2020年4月1日にAさんが亡くなったとします。Aには妻Bと長男Cがいますが、Cは3年前に家を出て行ったきり連絡が取れません。そのため、妻BはAの死亡を当日に知ることができましたが、長男Cは2ヶ月後の2020年6月1日に妻Bからの連絡を受け、Aの死亡を知りました。この場合、妻Bと長男Cはいつまでに相続税の申告をするべきでしょうか?

相続税の申告期限は、相続人が「自己のために」相続の開始を知った時の翌日から数え始めます。つまり、妻Bと長男Cの相続税の申告期限は下図のとおりです。

このように、同じ相続の中でも相続人によって申告期限が異なるケースは多くあります。自分の申告期限を把握し、期限内に申告を済ませるように心がけましょう。

そのほか、申告期限日が土日・祝日だった場合や、死亡日が不明の場合など、申告期限がはっきりと分からないケースは多くあります。「自分の相続税申告の期限が分からない」、「相続税申告について不安がある」という方は、一度相続の専門家である税理士にご相談ください。

申告期限に遅れそうになったら

「相続の開始を知った日から10ヶ月以内」と聞くと、時間に余裕があると感じる方が多いと思います。しかし、いざ相続が始まると、遺品整理や相続財産の調査、遺産分割の話し合いなど、さまざまな手続きを行わなければならず、期限前になって慌てて申告の準備をするというケースも珍しくありません。

特に、申告期限に間に合わない理由として多いのが「遺産分割が決まらない」ことです。相続税申告では、各相続人が受け取る財産額をもとに支払うべき相続税を計算し、申告書の作成や納税をしていきます。そのため、遺産分割が決まっていないと、正確に相続税を計算することができないのです。

もし、亡くなった人が遺言を残しているのであれば、その遺言の内容に沿って遺産分割をすることができますが、問題は亡くなった人に遺言が残っていない場合です。

遺言がない場合、相続人は全員で話し合って遺産分割を決めることになります。話し合いがスムーズに進めば良いのですが、普段は仲の良い家族でもお金が絡むと争いになってしまうのが相続の怖いところで、「自分は懸命に介護をしてきたから財産を多くもらうべきだ」「お前は迷惑しかかけてこなかった」などと言い争いになり、結局申告期限までに遺産分割が決まらないケースは珍しくありません。

このように、申告期限までに遺産分割が決まらない場合は、民法で定められている法定相続分で仮の分割をしたことにして「未分割申告」を行いましょう。その後、遺産分割が決まったら「更正の請求」という手続きをすることで、払いすぎた相続税を返してもらうことができます。

遺産分割が決まらなかったとしても、未分割申告は期限内に行う必要があります。申告期限を過ぎてしまうと延滞税や加算税が課されるほか、相続税を減らす特例が使えなくなってしまいますので、ご自分の申告期限はしっかりと把握しておきましょう。

期限内に申告を終わらせるためには、相続手続きの流れをチェックしておくことや、申告に必要な書類を早めに入手しておくことも大切です。相続税申告について分からないことがある方は、相続に詳しい税理士に相談することをお勧めします。