相続税申告をしなければならない人は?

相続税申告が必要な人は、相続税法第27条に以下のように定められています。

「被相続人から相続や遺贈、相続時精算課税制度を使った贈与により財産を取得した者の課税価格の合計額(※)が、遺産に係る基礎控除額を超える場合において、納付すべき相続税額が算出される者は、相続税の申告書を提出しなければならない」ことになります。
※各相続人及び受贈者の相続税の課税価格(各人の課税価格)の合計額

相続税法第27条
(相続税の申告書) 第二十七条 相続又は遺贈(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で第二十一条の九第三項の規定の適用を受けるものに係る贈与を含む。以下この条において同じ。)により財産を取得した者及び当該被相続人に係る相続時精算課税適用者は、当該被相続人からこれらの事由により財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格(第十九条又は第二十一条の十四から第二十一条の十八までの規定の適用がある場合には、これらの規定により相続税の課税価格とみなされた金額)の合計額がその遺産に係る基礎控除額を超える場合において、その者に係る相続税の課税価格(第十九条又は第二十一条の十四から第二十一条の十八までの規定の適用がある場合には、これらの規定により相続税の課税価格とみなされた金額)に係る第十五条から第十九条まで、第十九条の三から第二十条の二まで及び第二十一条の十四から第二十一条の十八までの規定による相続税額があるときは、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内(その者が国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をしないで当該期間内にこの法律の施行地に住所及び居所を有しないこととなるときは、当該住所及び居所を有しないこととなる日まで)に課税価格、相続税額その他財務省令で定める事項を記載した申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

難しそうな条文ですが、以下の①から④で分かりやすく説明します。

① 遺産に含まれるものと計算方法

相続税が課税される遺産には、亡くなった方が持っていた全財産です。
亡くなった日に財布に入っていた現金から、預金、株、不動産その他のすべての財産が含まれます。亡くなった人の名義になっていなくても、家族の名前を借りて貯めていた財産や、家族の口座に預けてある財産も名義財産として課税の対象になります。
また、本来亡くなった人の財産ではない、死亡保険金や死亡退職金も相続税の課税対象に含まれます。
ただし、亡くなった人の債務や葬式費用は、プラスの財産から差し引いた残額で遺産を計算します。

詳しくは下記の記事をご参考ください。

② 相続税の基礎控除を超えた遺産を持っていた人は申告が必要です

相続税が課税されるかのポイントは、「基礎控除額」です。

相続税の基礎控除額は次の計算式で簡単に計算できます。
3000万円+(600万円×法定相続人の数)=基礎控除額

この「法定相続人」というのは、相続放棄をしなかった場合の相続人の数です。
実際に財産をもらわなかった人がいても、相続放棄をした人がいても、それらに関係なく相続人は何人いたかをカウントするのです。
ただし、養子についてはカウントする人数に税法独自の制限が設けられています。詳しくは➡ こちら を参照

さらに、申告が必要となる人は法定相続人以外もなり得ます。
遺言や死因贈与契約、家族信託契約で財産をもらった人、亡くなった人が生命保険の契約者兼被保険者だった場合に、死亡保険金の受取人になっていた人も相続税申告が必要となります。
この場合、相続税は2割加算されます。

③ 相続税はどのくらいかかるのか

④ 特例等の軽減措置を使った場合

②で遺産が基礎控除額を超えると相続税が課税され申告が必要と説明しました。
しかし、課税される財産に対して納める相続税が軽減されたり、納税額がゼロになる場合もあります。
相続税の軽減措置には配偶者の税額軽減や小規模宅地の評価減等がありますが、この特例を受けるためには相続税の申告が必要です。