Q. 50年程前に父が他界し20年程前に母が他界しています。父の相続時の遺産分割が終わっておらず兄弟7人で分割しようという話になったが兄弟間で話がまとまらず、現在でも未分割のままです。

この場合、私の相続分を他の相続人に譲渡することはできますか?

A. 遺産分割前であれば、相続分の譲渡は可能です。他の共同相続人の同意も必要ありません。

この場合の“相続分”とは、相続財産のうちの積極財産と消極財産とを包括した遺産全体に対する相続分の包括的な譲渡のことであり、相続人の地位そのものをいいます。

相続財産に含まれる個々の財産の譲渡とは違いますのでご注意ください。

なお、当該相続分の譲渡は他の相続人に対してだけでなく、第三者に対しても行うことができます。

相続分が共同相続人以外の第三者に譲渡されると、分割協議に第三者が入ってくることになり、遺産分割の円滑な実施が阻害される可能性がありますので、譲渡人以外の共同相続人は、譲渡対象となった相続分を相続分の譲渡の代価とその譲受に係る費用を弁済することで譲渡された相続分を取り戻すことが認められています。但しその期間は譲渡してから1か月以内となります。

ご質問のケースでは、現在もすべてのお父様の遺産が未分割ですので、相続分の譲渡は可能です。

この記事の監修者

宮澤 博

宮澤 博 (税理士・行政書士)

税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士 長野事務所所長

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。