公開日/2022年3月1日

家族信託の専門家のイメージ画像

「家族信託の専門家」といったら、どのような人達を思い浮かべますか?多くの人は、弁護士や司法書士などをイメージするかと思います。家族信託の相談を受ける専門家には、弁護士や司法書士の他にも、税理士や行政書士なども含まれます。

しかし、全ての専門家が家族信託に特化しているわけではありません。家族信託の業務を受けたことのない司法書士や弁護士などもいるため、相談する専門家は慎重に選ぶ必要があります。また、専門家によっては家族信託の中でも得意分野が異なりますので、あなたが抱えている問題に理想的な解決策を出せる専門家に依頼するべきなのです。

こんなふうに言われても、「じゃあ、私は誰に相談するべきなの?」と迷ってしまいますよね。

そこで、この記事では、家族信託において専門家ごとになにができるのかをまとめてみました。あなたがどの専門家に相談するべきか、この記事を読んで考えてみてください。

【家族信託の専門家①】 司法書士は何ができるの?

司法書士は、主に不動産の登記業務を得意としています。

信託された不動産は、受託者が管理をしやすいように名義を委託者から受託者へ変更するための登記を行う必要があります。そのため、信託不動産がある場合には、ほとんどのケースで司法書士に信託登記を依頼することになります。ですから、信託財産の中に不動産が含まれている場合には、初めから司法書士に依頼しておくことで、スムーズに信託手続きを進めることができるのです。

また、司法書士は家族信託以外にも成年後見制度や遺言などの手続きに特化している場合が多いため、他の専門家に比べてあらゆる面から家族信託や相続対策のアドバイスを受けることができます。 しかし、司法書士は税金面でのアドバイスに弱い点に注意が必要です。家族信託では税金の心配がないと思っている人も多いのですが、実は家族信託について十分な理解がないと、余計な相続税や贈与税が課税されてしまう可能性があります。そのため、税金にも強い司法書士、または税金面は税理士と協力をして進めてくれる司法書士に依頼すると良いでしょう。

【家族信託の専門家②】 行政書士は何ができるの?

行政書士は、行政の手続きを得意としている専門家です。

信託契約書の作成や、それに伴って必要となることの多い遺言や成年後見に関する書類の作成を行うことができます。行政書士でなければできない、という業務はないのですが、他の士業が独占していない業務であれば全体的に行えることが強みといえます。そのため、まずは誰に相談するべきかがわからない、という人は行政書士に相談すると良いでしょう。

しかし、行政書士自身が相談者の手続きを代理して行うことはできませんので、相談者が直接法務局などに出向いて手続きを行う必要があります。また、最終的な手続きは相談者が行うことになるため、かえって時間がかかったり、手続きを間違えてしまう可能性もあります。仕事や育児などで時間が取れない方や足腰が弱く自分で手続きすることができない場合には、行政書士への依頼は難しいかもしれません。

【家族信託の専門家③】 弁護士は何ができるの?

弁護士は、司法書士よりも広い範囲で法律業務を行うことができます。そのため、信託契約書の作成だけでなく、信託不動産の登記までも弁護士に任せることができるのです。

また、弁護士はさまざまな交渉や訴訟の代理も行うことができるため、客観的な視点からアドバイスをして相続争いの予防や解決をすることが可能です。そのため、家族信託により相続発生後に相続人同士での争いが起こりそうな場合には、あらかじめ弁護士に依頼しておくと良いでしょう。

しかし、弁護士は広く法律業務を行うことができることから、家族信託に特化した弁護士がまだ少ないのが現状です。家族信託の実績がない弁護士に依頼をした場合、余計な税金がかかったり、優れたアドバイスを受けられない可能性があります。

また、弁護士に依頼した場合の費用も、他の専門家と比べて高いことがネックとなりますので、予算と相談して慎重に選ぶ必要があります。

【家族信託の専門家④】 税理士は何ができるの?

税理士は、主に税金面での業務が得意な専門家です。

家族信託では信託契約の形によっては贈与税がかかったり、相続が発生したときには相続税がかかったりするケースもあります。税理士へ依頼した場合には、贈与税のかからない家族信託や家族信託後に発生する相続税の節税対策を行うことができるため、全体的にかかる費用を抑えることができるのがメリットと言えます。相続争いは遺産分割の過程で起こりやすく、相続税を安く抑えられる選択肢が増えるだけでも、大きな争族対策となるでしょう。また、相続で必要となる「相続税申告書」や、家族信託で収益が発生したときに必要となる「確定申告書」、家族信託で贈与税が発生したときに必要となる「贈与税申告書」の作成も税理士に依頼することができます。

家族信託から相続までスムーズに手続きを済ませたいという方は、一貫して依頼することができる税理士に相談することをおすすめします。

しかし、税理士は信託不動産の登記を行うことができません。信託財産の中に不動産が含まれている場合は、不動産登記の部分は司法書士に依頼するか、自分で登記の手続きを行う必要がある点に注意が必要です。

専門家を選ぶ際の注意点

家族信託を相談する専門家を選ぶ際、司法書士や税理士などの中からどの士業に相談するかを慎重に選択することも大切なのですが、最も大切なのが、「その士業の中から誰に相談するか」を決めることです。

例えば、税金面に強い税理士に依頼することを決めたが、税理士であれば誰でもいいと思い、家族信託を熟知していない税理士に依頼してしまった。などというトラブルは珍しくありません。このようなトラブルに巻き込まれてしまうと、自分が思い描く理想の信託や財産承継ができない可能性があります。また、そのトラブルは自分が亡くなった後にも影響し、残された家族が相続争いを起こしてしまう原因にもなり得ます。

ですから、自分が相談しようとしている専門家は家族信託についてどれくらいの知識があるのか、また家族信託の相談実績はどのくらいかをあらかじめ確認しておく必要があるのです。

ただマニュアルに沿って家族信託の手続きを進めていくだけの専門家や、インターネットに載っているテンプレートをなぞって信託契約書を作成するような専門家は、あなたに合った家族信託を提案してくれる専門家ではありません。本物の専門家は、あなたの悩みを親身に聞き、あなたに合ったベストな家族信託の形を提案します。

専門家によっては「初回無料相談」を行っているところもありますので、サイトだけで良し悪しを判断できない場合には、無料相談をしてみてから依頼するかを決めるのも有効な手段です。

専門家ごとにかかる費用も参考にしましょう

専門家に依頼するときに気になるのが「費用」です。同じ司法書士や税理士の中でも費用は異なりますが、大体専門家ごとに相場が決まっています。「費用が高いから質がいい」「安いからサービスが良くない」とは一概に言えませんが、費用をみて依頼する専門家を決めるのも手段の1つです。

「価格が安いと思って依頼したが、実はコンサルや信託契約書の作成費用が入っていなかった。」

「自分に必要なオプションを追加していくと、他よりも高くなってしまった。」

このようなケースも多くありますので、持っている財産やサービス内容などを慎重に考慮して専門家を選びましょう。

まとめ

司法書士、弁護士、行政書士、税理士と、家族信託の相談相手となる専門家はたくさんいます。この中からどの専門家に相談をするかによって、家族信託の形が大きく変わることがあります。

専門家にはそれぞれ得意分野が異なりますので、自分の悩みを解決し、自分に合った家族信託を提案してくれる専門家を見つけることが大切です。

ソレイユ相続相談室では、豊富な実務経験のある税理士と行政書士があなたに合った家族信託のご提案を行っております。家族信託をご検討のお客様は、ぜひ一度ご相談ください。

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この記事の監修者

宮澤 博

宮澤 博 (税理士・行政書士)

税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。