Q 私は妻と2人暮らしで、子どもがいません。もし私が妻より先に亡くなった場合は、私の財産はすべて妻に遺したいと考えていますが、私と妻の2人の死後は、私が所有する不動産は、私の父から引き継いだものなので、私の弟に引き継いでほしい、と考えています。私が遺言書を作成すれば、私の所有する不動産をゆくゆく弟に相続させることができるのでしょうか?

 

 

A この相談者様は、お父様・お母様は既にお亡くなりになっており、相談者様の法定相続人は、配偶者である奥様と、弟さんのお二人のみでした。

遺言書には、相談者様が死亡した場合の財産の行く先を記載することができます。
もしも、遺言書に「全ての財産を妻に相続させる」と記載した場合は、弟さんには遺留分がありませんので、相談者様の財産を奥様が全て相続することができます。
しかし、遺言書では、ご本人の財産の行く先を決めることはできても、その後相続した奥様の財産の行く先を決めることはできません。
そこで、家族信託の仕組みを使えば、相談者様の希望を叶えることができます。

信託とは、ある人(委託者)が、自分の財産を一定の目的に従って他の人や法人(受託者)に託し、受託者がその目的に従ってその財産を管理・処分したりして、依頼の目的を達成するために必要な行為をすることです。

信託財産が生み出す成果や、信託財産を処分したときの対価や、信託財産そのものを受け取ることができる者を(受益者)といい、(委託者)が信託をするときに誰を受益者にするかを決めることになります。 
相談者様(委託者)は、相談者が所有する不動産について、
『相談者様の死亡時には妻を受益者(第一次受益者)とし、さらに将来妻の死亡により弟が受益者(第二次受益者)になる』
…という信託を設定すれば、相談者様の財産を妻に相続させた後に、弟に承継させることが可能となります。

このように、信託の仕組みを使うことで、資産を遺す方の思いを尊重し、生前の財産管理から相続後の資産継承までを一括して信託することが可能となります。


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この記事の監修者

宮澤 博

宮澤 博 (税理士・行政書士)

税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。