相続財産とならない「祭祀財産」をめぐるトラブル回避のために

2017/6/1


 「相続財産」とならない「祭祀財産」について、引き継ぐ際にトラブルにならないためにはどうすればよいか?

というご相談にアドバイスをさせていただいた事例を紹介します。


 祭祀財産とは



 「祭祀財産」とは、家系図、仏壇・仏具、お墓や墓地、遺骨などです。祭祀財産は、他の相続財産と同じように相続人の間で分けてしまうと、後々、法要などの祭祀を催す際に不都合が生じるので、一般的な相続の対象となっていません。

 相続税申告においても、祭祀財産は非課税財産とされています。

 ただし、投資目的で所有する祭祀財産は、非課税財産にはあたりません。



 「祭祀財産」を引き継ぐのは誰か


 では、誰が「祭祀財産」を引き継ぐのか?というと、葬儀や法事などを代表して行なう人が祭祀財産を引き継ぎます(祭祀主宰者)。

 昔は、長男が引き継ぐもの、であったりしましたが、現在の法律ではそういった決まりはありません。

 ある程度の決め方が民法に規定されています。(民法897条)

 まず、亡くなった被相続人がこの人に引き継いでほしいと指定した場合は、指定された人が祭祀主宰者となります。

 この指定は遺言でできますが、生前に口頭などでも可能です。

 次に、その指定がない場合は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が、祭祀財産を承継します。

 では、亡くなった人から指定がなく、慣習も明らかでない場合は…と言いますと、これは、家庭裁判所で決めることになります。

 ちなみに、この祭祀主宰者が指定されますと、相続放棄のように拒否できません。

 ただし、祭祀を行うことは義務ではないので、祭祀承継者は祭祀財産を処分しても罰せられることはありませんし、祭祀承継者に、お墓の掃除や仏壇に供え物をする等を親戚などが法的に強要することはできません。



 トラブルにならないために



 何もしなくてもよいとなると、親戚などとトラブルになる可能性もあります。

 祭祀主宰者を決める際は、慎重に話し合うことをおすすめします。





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