相続対策 3つの基本

財産承継対策を行う上で、まず大切なことは財産状況の把握です。
財産構成を視覚化し、下記の3つの基本を念頭に、財産構成の見直しを行っていきます。

基本1:「納税資金」を確保する

相続税は現金一括納付が原則です。
予想される相続税額を把握し、必要な現金・流動資産を確保しておきましょう。
●不動産等をあらかじめ現金化する
不動産や貴金属などは、相続発生後に納税資金の確保が必要になって売却しようとしても、納期限までに希望の条件で売却できるとは限りません。不動産であれば、売却予定の不動産を納税資金の前借として提供して、融資を受ける方法もありますが、金利がかかります。
相続発生後に納税資金の工面に問題が無いように、残したい財産と、換金する財産を整理して、相続時精算課税制度の活用も検討しながら、換金不動産等を売却して手元に納税資金を確保することも大切な対策になります。

●相続人の収入を増やす資産を生前贈与する
家賃収入や配当など、定期収入を生む財産を保有している場合に、相続対策の着眼点として「財産を増やさないこと」があります。
定期収入は必要ですが財産が増え続けると相続税の税率をあげるリスクも増えていくのです。
定期収入がある財産を相続時精算課税を活用する等で生前に贈与する事で、相続財産の増加を防ぎつつ、受贈者(相続人)に納税資金を蓄えさせておくことも可能になります。
さらに、相続税を延納(分割払い)で支払いする場合にも定期収入があることが必要です。

基本2:「分割案」を考える

財産の多くが土地などの不動産であるケースが多いため平等に分けるにも一筋縄ではいかず、
また、何が平等で何が平等でないかは、ご家族の事情により異なることもあります。
ご自身の想いとご家族の想いを汲み取った分割案を考えておくことが円満な財産承継のポイントです。
●遺言や信託により、想いを実現させる
相続争いを回避するには、遺言や信託などを活用し、ご自身の想い形に残すことが最も確実な方法です。
一般的な方法は遺言ですが、家族信託を利用すると、遺言では実現できないことが実現できるケースもあり、近年注目を浴びています。
家族信託は信託銀行で行っているような商事信託とは違い、家族間で信託契約を結べる民事信託を活用して行います。

●分割がしにくい財産が多い場合には、代償分割の準備を
自宅や賃貸不動産、自社株などを特定の相続人に相続させたいが、財産構成のバランスを図ってもなお、他の相続人に分配できる財産が少ない場合には、代償分割を活用します。
特定の相続人が遺産をまとめて取得する代わりに、他の相続人に代償金を支払います。
代償金を確保させるために、たとえば生命保険を活用する方法があります。
死亡保険金は受取人固有の財産となり、遺産分割の対象とはならず、一般的には遺留分の算定基礎財産にも含まれません。
生命保険を活用することで、代償金の支払いに備えることができます。

基本3:「相続税評価額」を圧縮する

相続税は累進課税のため、遺産額が大きくなるほど税負担が重くなります。
相続税の負担をできるだけ軽くするためには、生前に財産を次世代に移転させることや、
財産を組み替えて相続税評価額(課税価格)を圧縮することも必要になります。
●生前贈与で資産の 量 を減らす
贈与税の課税方式には原則の「暦年課税」「相続時精算課税制度」があります。
暦年課税の基礎控除額は年110万円です。
この基礎控除額の範囲内で時間をかけて生前贈与を行い、資産を減らしておくことで、相続税の負担が減少するケースがります。
また、相続税のシミュレーションをし、予想される相続税の適用税率よりも低い税率の範囲内で贈与を行うという方法もあります。

●不動産を活用し、相続税評価額を下げる
現金で相続するより、その現金を不動産に換えた方が相続税の申告書に載せる評価額は低くなり、賃貸不動産の場合には借地借家権相当額が控除されてさらに評価額が下がります。
また、融資を受けてアパートなどを建設した場合の負債は遺産額から差し引く事ができます。

●生命保険を活用する
生命保険の死亡保険金は、本来は相続財産ではなく受取人固有の財産(原則として遺産分割協議の対象とならない財産)です。
相続税法上はみなし相続財産として相続税の課税対象になっています。
また、死亡保険金の受取人が相続人の場合 500万円×法定相続人の数 までは非課税とされ、遺産額から差し引くことができます。
遺産額から差し引くことができ、相続税が軽減されます。この生命保険の性質を利用すると節税に活用できます。
また、遺産の分配や納税資金の準備等に活用できるのです。
死亡保険金の目的を決めて活用すると、残された家族のための有効な相続対策になります。

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