老人ホームに入居した場合の、マイホームの売却特例と空き家売却特例について

2017/11/24

Q、Aさんのお母さんが自宅から老人ホームに引っ越すことになりました。
母から、自宅の不動産を売却した時には3,000万円の特例があると聞きましたが、どのような特例が使えるのですか?
母とは別居していますが、母が生前に売却できた場合と、売却できずにホームで亡くなってしまった場合に分けて教えてください。


1、譲渡所得税の原則的な計算式とは?
A.まず、譲渡所得の税金は原則としてどのように計算するのか見ていきましょう。
計算式は下記のとおりです。

土地等や建物を売った金額-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得金額
譲渡所得金額×税率=譲渡所得の税金

※取得費とは、売却した不動産を購入した時の金額に、その後支払った設備費などを加え償却を考慮した金額です。
取得費が不明の場合や、実際の取得費が譲渡価格の5%よりも少ないときは、譲渡価格の5%を取得費とすることができます。
※譲渡費用とは、不動産を売却するために支払った費用です。仲介手数料や印紙代、立ち退き費用や取壊費用などがそれにあたります。
※税率は、その不動産の所有期間が5年以上かそれ以下かによって変わります。

●長期譲渡所得の税額所有期間が5年を超える不動産を売却した時の税額
譲渡所得金額×20%(国税15%:住民税5%)
●短期譲渡所得の税額 所有期間が5年以下の不動産を売却した時の税額
譲渡所得金額×39%(国税30%:住民税9%)


2.マイホームの売却特例とは?
原則的な計算に対して譲渡所得には、特例の計算があります。
代表的なものは、自宅(居住用)の不動産を売却した時の特例です。『居住用の不動産を売却した時の特例』は、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)から3,000万円の特別控除ができる制度です。
お母様が元気なうちにご自分のお名前で居住用の不動産を売却する場合は、この制度を利用できる可能性があります。

(1)適用要件とは?
適用要件は主に下記のとおりです。
①自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、住まなくなった後で、その日から3年目を経過する日の属する年の12月31日までに売れば適用が認められます。
②売った年の前年及び前々年にこの特例の適用を受けていないこと。
③マイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
④売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
⑤売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係者でないこと。
⑥別荘などのように主として趣味、娯楽又は保養のために所有する家屋ではないこと。
その他にも細かく要件が定められておりますので、詳しくは国税庁HP【https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/jouto.htm】を参照してください。

(2)計算方法とは?
それでは仮に、不動産の売却収入が5,000万円だったとして計算してみましょう。

取得費が不明で取壊費用が200万円かかったとすると、通常かかる譲渡所得税は、不動産の所有期間が5年超の場合は、
〔 5,000万円-(5,000万円(取得費)×5%)-200(取壊)万円(費用) 〕×20%=910万円
…となりますが、
『マイホームを売った時の特例』を利用すると
〔 5,000万円-(5,000万円(取得費)×5%)-200(取壊)万円(費用) -3,000(売却)万円(特例)〕×20%=310万円
…となり、かなり税額が軽減されているということが分かります。


3.空き家売却特例とは?
『相続又は遺贈により取得した被相続人の居住用家屋(空き家)又は被相続人の居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができる』という特例です。
ただし、お母様が自宅を売却する前に老人ホームでお亡くなりになられてしまった場合には、老人ホームに入る前のご自宅が『生活の本拠』とみなされないため、残念ながら空き家売却特例は利用できません。
※Aさんがお母様と同居しており、ご自宅を居住用家屋として相続したのち売却した場合は、Aさんについて『マイホームを売った時の特例』を利用できる可能性があります。
参考までに、仮に相続発生時までご自宅にお住まいだった場合には、『被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例』を利用できる可能性があります。
『被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例』を利用すると、『マイホームを売った時の特例』と同じように3,000万円の控除が受けられます。

(1)適用要件とは?
適用要件の主なものは下記のとおりです。
●建物について
①昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
②区分所有建物登記がされている建物(マンションなど)でないこと。
③相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。
●売却について
④相続の開始があった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
⑤売却代金が1億円以下であること。
⑥ⅰ 相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋の全部の取壊し等をした後に
被相続人居住用家屋の敷地等を売ること。
あるいは、
ⅱ 譲渡の時において一定の耐震基準を満たす居住用家屋を売るか、
一定の耐震基準を満たす居住用家屋とともに居住用家屋の敷地を売ること。こちらも、国税庁HP【https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/jouto.htm】を参照してください。

(2)計算方法とは?
同じく、不動産の売却収入が5,000万円だったとして計算してみましょう。
〔 5,000万円-(5,000万円(取得費)×5%)-200(取壊)万円(費用) -3,000(空き家)万円(特例)〕×20%=310万円


4.まとめ
Aさんの場合、お母様が老人ホーム入居後3年以内の売却あれば『マイホームを売った時の特例』の利用が可能ですが、入居後3年を超えていた場合には通常通りの譲渡所得税がかかってしまいます。
老人ホームに入居される場合は注意が必要です。

相続に関して、不動産の売却予定がある場合には、ぜひ事前に弊社の無料相談をご利用ください。
ご連絡お待ちしております。


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