特別受益と遺産分割

2017/12/27

特別受益とは、相続人の中に特別に被相続人から利益を得ていた人がいる場合の、その受けた利益のことです。
特別受益が認められると、その相続人の特別受益分について、受益者の遺産取得分が減額されます。

遺産相続が起こるとき、一般的には法定相続人が法定相続分に応じて遺産分割をするのが原則です。
しかし、相続人の中に、被相続人から高額な生前贈与を受けるなどによって特別に利益を得ていた人がいる場合にまで単純に法定相続分に従って遺産分割をしてしまうと、かえって不公平になってしまいます。

例えば相続人が子供3人A、B、Cのケースで、被相続人の遺産が3,000万円だったとします。
法定相続分で分割するとA、B、Cが均等に1,000万円ずつ相続することになります。
しかし、このうちのAは自宅を新築する際、被相続人から600万円援助してもらっていました。B、Cは特に援助をしてもらっていません。
「Aだけ優遇されている」と感じたBとCは単純に法定相続分で分割し、均等に1,000万円ずつ相続することに納得がいきません。
このようなときに特別受益の考え方が用いられます。

Aが自宅の新築を援助してもらった600万円を特別受益とした場合、遺産の分割は次のような計算で行われます。
①   遺産の総額の計算被相続人の遺産3,000万円+特別受益600万円=3,600万円
②   法定相続分による分割3,600万円×各人の相続分1/3=1,200万円
③   それぞれの取得額A…1,200万円-特別受益額600万円=600万円B…1,200万円C…1,200万円
合計3,000万円特別受益額を遺産の金額に持ち戻し、それを分割し、その後に特別受益額を個別に減額することで相続人間の相続の公平を図っています。

現実的には特別受益の絡んだ相続はとても難しいケースが多いです。
特別受益を認めさせたいB、Cと認めないAの対立や、仮にAが特別受益を認めたとしても、その金額が600万円なのか違う金額なのか争うことになったりもします。
贈与の時期が古くなればなるほど「記録は無いが記憶はある」ことにより、相続人間の感情的な対立になりがちです。
こういった争いにならないよう、生前贈与の際は契約書を作成する、お金なら銀行振込など記録に残る方法で贈与するといった、証拠を残しておくことが大事です。


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